交代勤務の循環器機能への影響―正常血圧者と高血圧者の比較

• 研究課題/領域番号: 11670391
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 公衆衛生学・健康科学
• 研究機関: 金沢医科大学
• 研究代表者: 中川 秀昭 (2000-2001) 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437); 森河 裕子 (1999) 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20210156)
• 研究分担者: 西条 旨子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40198461) ; 田畑 正司 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40188404) ; 森河 裕子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20210156) ; 三浦 克之 金沢医科大学, 医学部, 講師 (90257452) ; 中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
• 研究期間 (年度): 1999 – 2000
• 研究課題ステータス: 完了 (2001年度)
• 配分額: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円); 2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円); 1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
• キーワード: 交代勤務 / 深夜業 / 血圧 / 自由行動下血圧測定 / 心拍数 / 日内変動 / 高血圧 / 身体活動

研究概要

本研究の目的は、夜勤・交代勤務の血圧、循環器機能への影響を明らかにすること、夜勤・交代勤務の、血圧、循環器機能への影響に正常血圧者、未治療高血圧者、降圧剤治療者で差異があるかどうかを明らかにすることである。富山県東部のファスナー・アルミ製造工場における交代勤務職場の、正常血圧者10人、未治療高血圧者9人、降圧剤治療者9人の28人について、携帯用自動血圧計(日本光電)を用いて日勤日と深夜勤務の24時間血圧測定を行った。また、携帯型加速度計(GMS、アクテイブトレーサーAC30l)を用いて、身体活動量と心拍数を24時間モニターした。その結果、(1)交代勤務者の血圧日内変動は、正常血圧者、高血圧者ともに、日勤日も深夜勤務日も生活リズムにあわせて変動した。(2)正常血圧者の基底血圧および睡眠中の平均血圧は深夜勤務日が日勤日に比べて有意に高くなっていた。(3)勤務中の血圧は、日勤日と深夜日の間に差がみられなかった。(4)勤務終了後の血圧は、高血圧治療中群で深夜勤務日が日勤日に比べて高い傾向がみられた。(5)勤務中血圧の標準偏差は、正常血圧者では夜勤になると低下傾向を示したのに対し、未治療高血圧者、降圧剤治療者では増加傾向を示した。(6)携帯型加速度計を用いた身体活動量区分と血圧、心拍数の関連をみると、身体活動量の増加とともに血圧、心拍数の増加がみられた。一定以上の身体活動量になると血圧は保たれたが、心拍数はさらに増加した。しかし、心拍数は日勤に比べて深夜勤務日に低くなる傾向がみられた。
本研究から、血圧は日勤日と夜勤日ともに、内的な要因より活動レベルなどの外的因子に強く影響され変動することが明らかになった。高血圧者では夜勤中では外的刺激に対する血圧の変動が増幅される可能性が示唆された。一方、睡眠中の血圧は、正常血圧者で夜勤日が日勤日よりも高かった。睡眠中の血圧が高いと血管系の負荷にっながることが知られており、高血圧発症リスクを高める可能性も考えられる。