研究課題/領域番号 |
11670404
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
|
研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
勝川 千尋 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (20183725)
|
研究分担者 |
鈴木 定彦 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (90206540)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 結核菌 / ピラジナミド / 薬剤感受性試験 / ピラジナミダーゼ / pncA遺伝子 / 遺伝子変異 / 迅速検出法 / in vitro転写 / 翻訳システム / pncA / 耐性 / ダイレクトシークエンス / 多剤耐性結核菌 / 小川培地 / 液体培地 |
研究概要 |
本研究は結核菌のピラジナミド(PZA)感受性試験を迅速に行うため、遺伝子診断法の開発を行った。得られた研究成果の概要を以下に示した。 1、PZAはニコチンアミド類似物質でプロドラッグとして結核菌に抗菌作用を示す。そのメカニズムは結核菌の持つピラジナミダーゼ活性により殺菌作用を持つピラジン酸に変換され、効力を発揮する。ピラジナミダーゼ活性の消失と結核菌のPZA耐性が相関することが判明したので、臨床分離結核菌のピラジナミダーゼ活性を測定することによりPZA耐性菌の判別を行うことができた。 2、結核菌のピラジナミダーゼ活性の測定には大量の新鮮培養菌を必要とし、そのため測定には数週間を要した。またピラジナミダーゼ活性の消失はピラジナミダーゼをコードする遺伝子(pncA)の変異の結果によるため、pncAの変異をダイレクトシークエンス法により検出することも可能であったが、これも高価な設備を必要とすることから一般に普及する方法ではないと判断した。 3、そこでわれわれはPCRをベースにしたピラジナミダーゼ迅速検出システムを開発した。すなわち、プライマーの5'末端にT7ファージプロモーター配列を付加しておき、そのPCR産物を直接in vitro転写/翻訳システムに導入し、ピラジナミダーゼ活性の有無から遺伝子変異を調べた。その結果、30株のPZA耐性結核菌はすべてPZA感受性結核菌標準株H37Rvと比較してピラジナミダーゼ活性の低下が認められた。それに対して、PZA感受性結核菌はPZA感受性結核菌標準株H37Rvと同レベルの低い活性しか示さなかった。また本システムは検査が8時間で終了し、特別な装置を必要としない。これらの事実より本システムはPZA耐性結核菌を迅速に検出する有用な方法であると考える。
|