研究課題/領域番号 |
11670422
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
平岩 幸一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60124616)
|
研究分担者 |
佐久間 潤 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60305365)
郡司 啓文 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20234643)
阿部 すみ子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50136975)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 外傷 / 脳血管障害 / 合併症 / 因果関係 |
研究概要 |
頭頸部外傷によって脳血管が障害され、脳内出血や脳梗塞、あるいは動脈解離や動脈瘤などが発生することがある。これらはある程度時間経過後に症状が発現するので、外傷と傷病との因果関係の判断に悩まされることがある。本研究では、頭頸部外傷による脳血管障害の発症機序を解明することを目的とした。 まず、ゼラチン混合造影剤注入後の摘出脳をホルマリンで固定し、前額断にて切断して軟線撮影装置で撮影し、主幹動脈から分岐する微細な穿通枝まで明瞭に造影される造影剤注入条件を確定できた。次に、交通事故司法解剖例156例から、延髄・頚髄損傷26例(交通事故例中16.7%)を抽出し、これらの脳底部血管損傷の合併頻度・部位を分析した。その結果、延髄損傷群15例中6例(40%)に脳底部血管損傷の合併を認めたものの、頚髄単独損傷群では頭蓋内血管損傷の合併を認めず、脳脊髄への牽引力は脳底部動脈断裂の必要条件であるが、牽引力だけでなく別の要因も加わっていることが示唆された。次に、致命的頭部外傷169例を抽出した。致命的頭部外傷に占める単独性外傷性くも膜下出血(Isolated Traumaic SAH, ITSAH)の割合は14例(10%)であり、決して希な血管障害ではない。これら14例を分析した結果、発生機序としては頸椎を軸とする頭部への急激な回転力を確認できた。危険因子としての飲酒を確認し、椎骨動脈径の左右差も危険因子の可能性が示唆された。更に、外力により複数の血管に障害が生じることが判明した。
|