研究課題/領域番号 |
11670425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
前田 均 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20135049)
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研究分担者 |
朱 宝利 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30305619)
藤田 眞幸 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00211524)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 肺サーファクタント関連タンパク質A / 呼吸不全 / 急性呼吸促迫症候群 / 死因 / 窒息 / 肺胞傷害 / 肺硝子膜症 / 生存時間 / 肺サーファクタント関連アポタンパクA / 肺傷害 / 中毒 / 熱傷 |
研究概要 |
肺サーファクタント関連タンパク質A(SP-A)を指標とした呼吸障害・不全の法医病理学的客観的診断基準を作成するため、ルーチンワークのなかで剖検例の免疫組織化学的・生化学的指標に関する多角的検査を行い、それらのデータを総合的に分析・評価した。その結果、呼吸障害・不全の病態は以下のように分類され、重症度の客観的評価も可能であることが示された。(1)急性窒息・末梢性呼吸障害型:SP-A免疫染色における顆粒状SP-Aスコアの増加あるいはSP-A1/A2mRNA比の上昇。(2)肺胞傷害型:SP-A免疫染色における膜様SP-Aスコアの増加あるいは血清SP-A濃度の増加。(3)両者((1)および(2))の合併型。(4)遷延性呼吸障害型:SP-A免疫染色における粗大な顆粒・膜様SP-Aの出現と血清SP-A濃度の増加。 一方、一次性・二次性呼吸障害を鑑別するため、他の種々の指標についても併せて検討した結果、中脳黒質神経細胞ユビキチン染色所見と血中尿酸濃度が窒息・溺死の診断に有用であること、血中クレアチニン濃度が高温熱や低酸素血症による骨格筋傷害の指標となること、血中・心膜液中の心筋トロポニンT濃度が心筋傷害の重症度および持続と関連していることなどが明らかにされた。 上述のように、本研究においては当初の計画どおりに肺サーファクタントを指標とした呼吸障害・不全の実用的な法医病理学的客観的診断基準を作成し、所期の目的を達成することができた。さらに、各種体液・組織中の他の生化学的指標を多角的に組み合わせることによって呼吸、循環および中枢神経系などの機能障害・機能不全に関する死因・病態の客観的診断("科学的エビデンスに基づく診断":evidence based assessment)のための基準を構築することが可能であることが示唆された。
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