研究概要 |
(1)変異TAP2 cDNAの作製. 贈与されたTAP2^*B cDNAをpBluescriptベクターに挿入し、Shuldier.A.R.et al(Analyt.Biochem.194,9-15,1991)に従い突然変異を導入した。TAP2^*Bky2に特有の置換(エクソン9のコドン577がMet→Val)を入れた変異遺伝子を作製し、全核酸配列を確認した。 (2)変異TAP2遺伝子導入細胞株(T2/Bky2)の樹立. TAP1,TAP2^*B,TAP2^*Bky2の3種類のcDNAを作製し、TAP遺伝子欠損細胞株T2に、エレクトロポレーション法により、TAP1cDNAともに、変異TAP2cDNA(TAP2^*Bky2)又はwild type TAP2cDNA(TAP2^*B)を導入し、TAP2遺伝子のcodon577部分のみが異なる安定細胞株(T2/Bky2,T2/B)を得た。 (3)TAP2遺伝子導入細胞に発現したHLA結合ペプチドの採取. Protein A columnにT2の親株であるT1細胞株に発現している抗HLA-B5抗体である4D12抗体を結合させたcolumnを作成する。T2/Bky2,T2/B細胞をProtease inhibitorの共存下で溶解し、columnに流入させ、それぞれの細胞からcolumnに結合して得られる抗HLA-B5抗体、HLA、peptide複合体分画を採取する。5000dalton cut-off filterで遠心後、ペプチド分画のみを分取した。 (4)採取ペプチドの解析. トリフルオロ酢酸とアセトニトリルを溶媒として、Reverse-phase HPLCで得られたピークごとに流出分画を採取し、マススペクトロメトリーにてペプチドレパートリを解析し、そのアミノ酸配列を決定し、自然変異TAP2遺伝子のペプチド選択性と病因的意義を解明中である。
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