研究課題/領域番号 |
11670455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50179610)
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研究分担者 |
天野 宏一 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (00175928)
津坂 憲政 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00245490)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | TCRζ鎖 / シグナル伝達 / 自己免疫 / T細胞リセプター / チロシンリン酸化 / autoimmunity |
研究概要 |
TCRζ鎖発現低下によって惹起される上流シグナル伝達の異常を、T細胞膜に存在してシグナル伝達に中心的役割を果たしているraft/GEMに着目して解析した。 1)レクチンなどによって正常人T細胞を刺激すると、細胞質画分に多量に存在するLATがraft/GEM画分に移動するとともにアダプター蛋白、PI-3K、p95vavなどのキナーゼもraft/GEMに移行することが確認された。一方、無刺激T細胞では、細胞質画分のLAT発現は、正常人、SLE T細胞でほぼ同等であったが、正常人T細胞のraft/GEM画分にはLATがリクルートされていなかった。SLE T細胞では、生体内ですでにraft/GEM画分のシグナル伝達は、活性化が持続した状態となり、本来ならフォスファターゼをリクルートして、TCRζ鎖のチロシンリン酸化を脱リン酸化してスイッチオフにするべきところが、TCRζ鎖が発現されていないために負の制御がかからない、可能性が考えられた。 以上、TCRζ鎖は、細胞質、T細胞膜同様、raft/GEM画分にも全く検出されなかった。一方、そのなかで分子足場形成に必須のLATは、正常T細胞と異なり、SLET細胞では、無刺激の状態ですでにraft/GEM画分にチロシンリン酸化を受けた状態で存在しており、同時に複数のアダプター蛋白が会合していた。TCRζ鎖がraft/GEM画分に存在しない事によって、負の制御の標的がなく、持続的な活性化が引き起こされている可能性が示唆された。これによって、インターフェロン-γや、BAFF/zTNF4/BlyS/TALL-1などのサイトカイン産生が亢進し、自己免疫現象を誘導したものと考えられた。 今後、この異常経路を是正するモノクロナール抗体やレセプターアンタゴニストの開発が進めば、より病態に則した、しかも副作用の少ない新規薬剤が生み出される可能性があり、さらなる検討が期待される。
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