研究課題/領域番号 |
11670460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
山中 寿 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10166754)
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研究分担者 |
中島 洋 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40266838)
仙道 和子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40277140)
谷口 敦夫 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40179833)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 血管新生 / 滑膜炎 / Thrombospondin-1 / コラーゲン誘発関節炎 / TSP-1 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)の滑膜組織においては早期から血管新生が認められ、滑膜増殖に重要な役割を演じていると考えられている。血管新生は、血管新生促進因子と抑制的因子のバランスの上で促進、抑制される。我々は、RAの滑膜組織における血管新生の病態を明かにするために、VEGFをはじめとする種々の血管新生促進因子、主要な血管新生抑制因子であるthrombospondin-1(TSP-1)の滑膜における発現を検討した。その結果、活動性の高い滑膜炎を有する滑膜にはTSP-1の発現が減少しており、血管新生増殖因子と抑制因子の不均衡が認められるために血管新生が増強していることが明らかになった。このことは、血管新生に関与する分子の制御により血管新生を抑制し、滑膜増殖を抑制することが、特に早期のRAにおける新たな治療戦略となる可能性を示している。そこで我々は主要な血管新生抑制因子であるTSP-1を過剰発現させることにより実験的関節炎が抑制しうるかどうかを検討した。関節炎発症の予防実験では、TSP-1導入plasmidを投与した群では,関節炎の初期に発症が遅延されることが示され、また治療実験においても、TSP-1導入plasmid投与群の関節炎スコアおよび四肢の厚さは,control plasmid投与群に比べて低い値を推移した.以上の結果は,ヒトTSP-1遺伝子の導入によってヒトTSP-1がマウスの生体内で過剰に発現し,TSP-1によって関節部位の血管新生が抑制されたために,コラーゲン誘発関節炎の初期あるいは進行期において発症が抑制された可能性を示唆する。この一連の研究により、RA治療における新たな可能性が示された。
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