研究課題/領域番号 |
11670536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
銭谷 幹男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70138767)
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研究分担者 |
高橋 宏樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80256403)
渡辺 文時 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90231711)
相澤 良夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90147273)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 自己免疫性肝炎 / 融合樹状細胞 / IL-12 / 肝内T細胞浸潤 / HLA-DR4 / CD25 / AIH / DR4 / 樹状細胞 / 肝癌細胞 / 融合細胞 / 実験的自己免疫性肝炎 / 細胞障害性T細胞 |
研究概要 |
本研究はヒトHLAトランズジェニックマウスに免疫学的修飾を加えヒト自己免疫性肝炎(AIH)類似モデルを作製、AIHの発症、進展に関与する免疫病態の解析を目的とした。ヒトAIHの疾患感受性遺伝子HLA-DR4(DRB1^*0401)トランスジェニックマウス(DR4Tg)に対し1.肝細胞との融合により抗原提示機能を強化した融合樹状細胞移入、2.末梢性トレランス制御性CD25陽性細胞除去、という人為的免疫制御を加えAIHモデルの作製を試み、CD25KOマウスにDRB1^*0401遺伝子を導入したCD25KO/DR4Tgマウスの作製、その系への肝細胞融合樹状細胞の移入によるAIHモデル作製も試みた。 初年度は免疫学的修飾の基礎的研究として、肝細胞と樹状細胞の融合細胞を抗原提示細胞として移入した際にAIH様の肝内病変が生ずるか検討し、1.C57/B1マウスに分離肝細胞と同系骨髄由来樹状細胞の融合細胞を皮下投与すると軽度のALT上昇、軽度の単核球浸潤を伴う肝障害が認められ、2.同系マウスを用い高分化型肝癌細胞Hepal-6と同系骨髄由来樹状細胞の融合細胞を皮下投与すると1.で施行した系よりもALTの上昇が著明で肝障害の程度も増強し、3.融合細胞投与後にIL-12を追加投与するとALT上昇、肝障害の程度はさらに増悪し、4.本モデルの脾臓リンパ球の正常マウスへの投与により肝障害が惹起出来ることを明らかにした。 第2年度はDR4Tgに対し肝細胞融合樹状細胞の移入、CD25陽性細胞の除去を施行し、HLA-DR4Tgマウスへの融合樹状細胞移入前後にマウス抗CD25モノクローナル抗体を投与すると肝障害の増悪傾向を認め、特にCD25陽性細胞除去を融合樹状細胞移入前に施行した場合は後に施行した場合に比し肝障害増悪の程度が著しいことを示した。またIFN-γ、IL-12、IL-18、IL-4、IL-10、TGF-β特異的プライマーを用いたin situ PCR法により浸潤リンパ球のサイトカイン産生を検討したところ、IFN-γ、IL-12産生が増強していることが明らかになった。 第3年はCD25KOマウスにDRB1^*0401遺伝子を導入したCD25KO/DR4Tgマウスを作製、その系への肝細胞融合樹状細胞の移入によるAIHモデル作製を試みたが、目的とするトランスジェニックマウスの作製が出来なかった。そのため初年度に作製した樹状細胞と高分化型肝癌細胞との融合細胞移入によるAIHモデルの肝細胞障害機序について解析を加え、融合細胞投与により自己肝細胞を認識しin vitroで肝細胞障害を示す自己反応性CD8陽性CTLが誘導されるが、肝炎発症にはIL-12の投与によるCTLの肝内浸潤誘導が必要なことが示された。IL-12投与により肝内の類洞内皮細胞上のICAM-1発現上昇、肝内mip-1遺伝子発現量の上昇が認ぬられることから、ヒトAIHにおいても自己反応性T細胞の活性化、IL-12等のサイトカインによる活性化T細胞の肝内浸潤誘導、という2段階機序が必要であることが示された。
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