研究課題/領域番号 |
11670546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松崎 恒一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70278638)
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研究分担者 |
中橋 佳嗣 関西医科大学, 医学部, 助手 (70247930)
関 寿人 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70163087)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / TGF-β / Smad / TGF-β受容体 / アクチビン |
研究概要 |
TGF-βシグナル伝達の研究は、最近伝達物質であるSmadが同定され急速に進歩してきた。我々は、分化型肝細胞癌では、癌細胞の産生するTGF-βが、Smad2/3を介して肝癌の細胞増殖を抑制しているが、かかる癌細胞において抑制型Smad7がTGF-βによる細胞増殖の抑制作用を阻害していることを報告した(Hepatology2000;32:218-227)。更に一部の未分化癌では、癌細胞の産生するTGF-βが、むしろ自身の癌細胞増殖を促進していることを見出した。またSmad2の活性化を指標にして、このような癌細胞におけるTGF-βシグナル伝達機構について報告してきた(Cancer Res.2000;60:1394-1402)。また急性・慢性肝障害モデルにおける、TGF-βスーパーファミリー受容体およびリガンドの発現変化を、星(筋線維芽)細胞・肝細胞に分離し調べた。更に、障害肝から星細胞ならびに肝細胞を培養し、これら状態の各種細胞におけるTGF-βに対する生物活性の変化を調べることで、星(筋線維芽)・肝細胞におけるTGF-βシグナル伝達およびその制御機構について考察してきた(Gut2000;46:719-724,J of Hepatology2000;32:251-260,J of Hepatology1998;28:572-581)。 本計画における申請者等が行った予備的実験の結果、TGF-βはHuh-7,HepG2等の肝癌細胞に対して増殖抑制効果を示したが、HCC-T,M等の肝癌細胞では全く増殖抑制効果を認めなかった。TGF-β受容体やSmadにはいずれの細胞にも遺伝子の変異を認めなかったことから、これら生物活性の違いは、Smad2/3の活性化の状態、ならびに標的遺伝子上に存在するSmad2/3/4の結合相手となる転写因子の違いで生じているものと思われる。
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