研究課題/領域番号 |
11670567
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
滝口 裕一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (30272321)
|
研究分担者 |
木村 弘 千葉大学, 医学部, 助教授 (20195374)
栗山 喬之 千葉大学, 医学部, 教授 (20009723)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 肺癌 / 腫瘍間質 / 線維芽細胞 / hepatocyte growth factor / vasculor endithelial growth factor / 遺伝子治療 / vascular endothelial growth factor / 肺小細胞癌 / HGF / VEGF |
研究概要 |
ヒト肺小細胞癌株(Wa)とその間質線維芽細胞(W-fib)の相互作用について検討した。W-fibをfeederとして共培養した場合のplating efficiencyは、Waに比べ有意に亢進し、ヌードマウス皮下腫瘍形成でも、Wa単独接種に比べ、W-fibを同数混じて接種する場合では、腫瘍形成潜時の有意な短縮を認めた。以上より、in vitro、in vivoにおいて、Waの腫瘍形成に対し、その間質細胞であるW-fibは促進作用があると思われる。 次に、W-fibに、in vitroでβ-gal遺伝子を導入し、W-fibを特異的に染色同定できるように処理した後、WaとW-fibを混じでヌードマウス皮下に接種し、腫瘍形成過程における線維芽細胞の役割を形態的に観察することに成功した。腫瘍が島状に増殖し、β-gal陽性の線維芽細胞はそれを取り巻くように分布し、また腫瘍内の血管に沿ってもその分布が確認された。WaとW-fibの相互作用のメカニズムを解析する目的で、培養上清中の各種増殖因子をELISAにより測定した。共培養開始18時間後に、培養上清中のHGFは一旦著増し、48時間以内に消失した。HGFのピークに引き続き、VEGFが数日にわたって著増した。一方、Wa単独、W-fib単独培養では、HGF、VEGFとも検出されなかった。さらにHFGはW-fibから、VEGFは主にWaから産生されることが判明した。HGFに対するアンチセンスオリゴDNAを培養上清に添加することにより、VEGF産生、Waのplating efficiencyの亢進効果がブロックされることが確認された。以上よりヒト肺癌細胞の増殖、腫瘍形成に、線維芽細胞は腫瘍間質としてin vitro、in vivoともに促進的に働くが、この作用にはHGF、VGEFのような増殖因子を介していることが明らかになった。
|