研究課題/領域番号 |
11670579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
檜山 桂子 広島大学, 医学部, 助手 (60253069)
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研究分担者 |
礒部 威 (磯部 威) 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (70284198)
石岡 伸一 広島大学, 医学部, 講師 (10191868)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 肺癌 / テロメラーゼ / hTERT / 化学療法 / 細胞診 / 予後 / alternative splicing / p53 / 遺伝子 / 遺伝子変異 |
研究概要 |
肺癌非手術検体における遺伝子変異・テロメラーゼ活性を測定し、それらと、予後・抗癌剤反応性との関係を検討することを試みた。肺癌非手術症例の経気管支鏡的擦過細胞診検体等について、蛋白を抽出した後核ペレットからDNAを抽出した。蛋白溶液のテロメラーゼ活性をTRAP法にて測定したが、細胞診検体中の肺癌細胞が占める割合は種々で、かつ、非小細胞癌では元来テロメラーゼ活性レベルが低い症例が過半数を占めるため、検出率が約40%と低いのみならず、活性レベルは混入する正常細胞の割合に左右された。そこでまず、テロメラーゼ蛋白成分のhTERT mRNAを定量的RT-PCR法で測定したが、alternative splicingを考慮しても必ずしもテロメラーゼ活性レベルを正しく反映するものではなかった。そこで、hTERT抗体を用いた免疫染色を試みたところ、テロメラーゼ高活性例は例外なく染色される癌細胞の割合が高く、低活性例では染色されない癌細胞の比率が高かった。すなわち、細胞診検体のように正常細胞が多数混入する検体であっても、その中の癌細胞についてhTERT陽性細胞:陰性細胞比で、もともとの癌のテロメラーゼ活性レベルが推定可能であった。さらにテロメラーゼ高活性の転移巣と低活性の原発巣のRNAを用いてマイクロアレイで解析したところ、いくつかの、発現パターンが異なる遺伝子が検出され、これらがテロメラーゼ活性化に関わっている可能性が示唆された。 一方、核ペレットから抽出したDNAを用いたPCR-DGGE法によるp53遺伝子変異の検索は組織検体を用いた解析に匹敵する結果が得られた。そこで、非手術症例70例の細胞診・生検標本においてこのp53遺伝子変異の有無を指標として肺癌の予後を検討した結果、化学療法施行群、非施行群、全体のいずれでも、p53遺伝子変異は有意な予後不良因子であることが判明した。
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