研究課題/領域番号 |
11670604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
樋田 豊明 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (80250249)
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研究分担者 |
高橋 隆 愛知県がんセンター, 分子腫瘍学部, 部長 (50231395)
杉浦 孝彦 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (50117826)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 肺癌 / cyclooxygenase 2 / 増殖抑制 / 抗癌剤 / 放射線 / 併用効果 / アポプトーシス / COX-2阻害剤 / cyclooxygenase2 / 予後因子 / 免疫染色 / 抗COX-2抗体 |
研究概要 |
肺腺癌にcyclooxygenase-2(COX-2)の過剰発現を高頻度に認め、COX-2の過剰発現と浸潤・リンパ節転移との関連、肺腺癌I期症例の予後との関連性について報告した。これらの知見は、従来の化学療法剤の作用点と異なり、正常細胞に比べて癌細胞で過剰発現しているCOX-2を分子標的とするCOX-2阻害剤を用いた新しい肺癌治療法の可能性を示唆しており、臨床への導入を目的として検討した。その結果、1)臨床的到達可能濃度域のCOX-2阻害剤によりCOX-2を発現している肺癌細胞に選択性を持った増殖抑制、アポプトーシスが観察された。またこの系においてはアポプトーシスの機序としてwild-type p53の関与はなく、bcl-2、baxのレベルに変化は認められなかった。2)COX-2阻害剤と化学療法剤との併用効果について、肺癌の化学療法に期待されているアムルビシン、イリノテカン、タキソテール、シスプラチン、エトポシドとCOX-2阻害剤との併用により5剤とも併用増強効果が観察された。イソボログラムを用いた解析ではアムルビシン、イリノテカンで相乗効果が観察され、それぞれ最大60%、77%IC_<50>が低下した。一方COX-2を発現していない正常細胞由来細胞株BEAS2B、HPL1Dでは併用増強効果は見られず肺癌細胞に選択性を持った効果増強が観察された。3)限局型肺癌に対する有力な治療手段である放射線とCOX-2阻害剤との併用においても相加的ではあるが効果増強が認められた。これらの新知見は、化学療法剤あるいは放射線療法に伴う副作用と基本的に重複せず、かつ元来副作用が軽微なCOX-2阻害剤を併用することにより、より高い効果をより少ない副作用で得られる可能性を示している。急増が予想される予備力の少ない高齢者肺癌患者への適応も含めCOX-2をターゲットとした治療法の臨床への幅広い応用が示唆された。
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