研究課題/領域番号 |
11670612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
斎藤 深美子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (10158917)
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研究分担者 |
戸田 達史 大阪大学, バイオメディカル教育研究センター, 教授 (30262025)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 福山型筋ジストロフィー / 遺伝子非翻訳領域 / ISH法 / mRNAの動態 |
研究概要 |
福山型筋ジストロフィー(FCMD)は、常染色体性劣性遺伝疾患で、日本では発症率が高く、新生児1万人当たり約1人に発症する。'98年に分担研究者の戸田らはその本体遺伝子を同定し、多くの患者では、数種の反復配列を含むDNA断片が本来遺伝子の3'側の非翻訳領域に挿入されていることが判明した(創始者ハプロタイプ)。一般に、疾患に至る遺伝子異常の部位はタンパク質翻訳領域であるが、FCMDの様に非翻訳領域での異常の場合、疾患発症の原因はタンパク異常では説明できない。理論的には、遺伝子の転写時あるいは転写後の異常が考えられ、これは遺伝疾患発症分子機構の新しい概念に属する。昨年までの研究で本研究者らは、FCMD遺伝子由来の転写産物(pre-mRNAおよびmRNA)の核内での存在をin situハイブリダイゼーション法(ISH法)で可視的に捉えることに成功し、転写後のRNAの動態異常が疾患の原因と推察した。この仮説を更に検証するため、今年度は、FCMD原因遺伝子の3'側非翻訳領域部分、及び、患者の遺伝子で検出される挿入DNA断片を含む各種のプローブを用いたTwo-color ISH法を行った。実験には、(1)創始者ハプロタイプホモ接合の患者(挿入断片をホモに持つ患者)、(2)複合ヘテロ接合の患者(創始者ハプロタイプと他のDNA変異を持つ患者)及び(3)正常対照者の各々のリンパ芽球細胞株由来の核標本を用いた。その結果,FCMD遺伝子の3'側非翻訳領域部分を指標にした場合、FCMD遺伝子の転写産物は、患者群では正常者群の約20%という低いレベルを示した。これは共同研究者らの分子生物学的検索結果と矛盾しない。つまり、DNA断片の挿入を持つ異常なallele由来の転写産物はある程度転写されるが、細胞核内でも低レベルであることが示唆された.
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