研究課題/領域番号 |
11670618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
照沼 裕 山梨医科大学, 医学部, 講師 (50217436)
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研究分担者 |
岩谷 靖雅 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90303403)
葛西 宏威 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20324189)
石田 尚臣 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80293447)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヒト8型ヘルペスウイルス / ケモカイン / エイズ / カポジ肉腫 / vMIP / vMIP / Zamibia |
研究概要 |
1998年にHHV-8に感染しているカポジ肉腫の患者ではエイズ脳症の発症率が低くなるとの疫学的報告が出された。そして、そのメカニズムとして、HHV-8が持つケモカイン様遺伝子ホモログ(vMIPs:vMIP-I、II、III)によりHIV-1のmicrogliaへの感染が阻害されているのではないかと推測されている。しかしながら、vMIPsが実際にmicrogliaやmacrophageへのHIV-1の感染阻害に直接に働く可能性、末梢血中でのmonocyteへのHIV-1の感染阻止に働くことでエイズ脳症の発症を抑えている可能性、vMIPsにより細胞にシグナルが入って免疫系の細胞の活性状態が変化する可能性、この様なケモカイン遺伝子のホモログを使ってエイズ脳症やHIV感染症の進行を予防できる可能性などは充分に検討されていない。 我々は現在までに3年間の無症候性のHIV感染者140人のフォローアップおよびカポジ肉腫患者83人の免疫状態とその臨床症状を調べたが、脳症を発症している患者は確認できなかった。さらに、我々はHHV8のvMIPsのHIV感染に関わる分子機構を明らかにするために、HHV8感染細胞株BCBL-1よりPCR法により、vMIP-I、II、III遺伝子を増幅及び単離した。単離した遺伝子は発現ベクター(pcDNA3.1-myc)に組み込み、哺乳類細胞内における発現系を構築した。一過性に293T細胞内にvMIPs遺伝子を強発現し、この培養上清を用いて、カルシウムの細胞内流入を検討したところ、vMIP-I、-IIIについて反応性が見られた。さらにCos7細胞にvMIPsの発現ベクターを導入し、恒常的なvMIPs産生細胞の樹立に成功した。現在、この細胞株の培養上清より、EPLCによってvMIPsを大量精製単離し、これらの組み換え蛋白を用いて、HIV-1感染に対する影響、宿主免疫系に対する影響を検討している。同時に我々は、患者のカポジ肉腫組織からvMIPs遺伝子を単離し、DNA配列の比較と発現系の構築も行っており、これらの組み換え蛋白での生物活性の比較も進めている。
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