研究課題/領域番号 |
11670623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤村 晴俊 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20263246)
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研究分担者 |
階堂 三砂子 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
佐古田 三郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00178625)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | SOD1 / 運動ニューロン / 筋萎縮性側索硬化症 / トランスジェニックマウス / 銅シャペロン / 免疫組織化学 |
研究概要 |
変異SOD1のgain of functionに関する銅の細胞内動態と、選択的運動ニューロン死の関連を検討することを目的に、G93Aトランスジェニックマウス(導入コピー数少)を発症直後、進行期、末期の3ポイントで屠殺しホルマリン固定凍結切片およびパラフィン切片を作製、細胞内銅輸送、貯蔵の動態に関連する特異的SOD-1への銅シャペロン(CCS)、ATX-1、S100b、メタロチオネイン(MT)などを用いた免疫組織化学染色を行った。その結果、発症後の全経過を通じてCCS、ATX-1が前角ニューロンに発現しており、グリア細胞では、アストロサイトにMTが恒常的に発現していることを見い出した。これらのうち特にCCSは発症後の前角ニューロンに凝集体を形成し、SOD-1と共にいわゆるLewy body-like hyaline inclusion(LBI)の主要構成成分であることを明らかにした。そこで、変異SOD1関連家族性筋萎縮性側索硬化症のヒト剖検例において同様の検索を行ったところ、CCSはSOD-1と共にLBIに共存していた。また、MT欠損マウスとG93Aトランスジェニックマウスを交配し検討したところ、MT欠損G93AトランスジェニックマウスではワイルドのG93Aトランスジェニックマウスよりも病期の進行が早く、かつグリア反応が乏しく、前角ニューロン脱落が高度であることを明らかにした。これらのことから細胞内の銅輸送、貯蔵の動態が運動ニューロン死に密接に関連することが示された。一方、G93Aに比し細胞内での安定性が劣ると考えられる2塩基欠失(エクソン5,コドン126)ヒトSOD-1を有するトランスジェニックマウスを作成したが、2歳超まで明らかな発症は認めなかった。そこでこのマウスと正常ヒトSOD-1遺伝子トランスジェニックマウスとのダブルトランスジェニックマウスを作成し、現在継代、繁殖中である。ヒト生体内により近い環境で、この不安定型変異SOD-1の動態と運動ニューロン死の関連を今後検討する。
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