研究課題/領域番号 |
11670626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
山口 修平 島根医大, 医学部, 助教授 (80135904)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 前頭前野 / Nogo電位 / 抑制機能 / 事象関連電位 / 機能的MRI / 新奇刺激処理 / パーキンソン病 / 痴呆性疾患 / 注意の移動 / 空間周波数 / NOGO電位 / CPT / 作業記憶 |
研究概要 |
前頭葉機能を反映すると考えられる事象関連電位成分の検討と機能的MRIによる前頭葉機能の検討を行った。まずGo/Nogoパラダイムを用いて、行動抑制機能に関連した誘発電位について検討した。脳波を頭皮上129カ所から記録し、Nogo反応に伴う脳電位の詳細な頭皮上分布と電位発生源を明らかにした。Nogo N2,Nogo P3共に前頭葉の眼窩面および前帯状回下部あたりに最も強い電位源が推定された。そして加齢に伴いこの抑制電位は減弱し、潜時も延長することが明らかとなった。現在、痴呆がなく前頭葉機能の低下が認められるパーキンソン病患者および前頭前野に梗塞巣を有する患者での検討が進行中である。 また新奇刺激の処理に伴って出現する事象関連電位P3aが、パーキンソン病患者と脳血管性痴呆患者で特異的な異常が認められることを報告した。神経心理検査等との関連性の検討から、この異常は前頭葉機能の低下と密接な関連があることも明らかとなった。その結果をふまえ現在このP3a電位を指標として、漢方薬(釣籐散)の脳血管性痴呆患者における認知機能改善作用の有効性を検討している。一部の例では、3ヶ月の服薬により誘発電位の増大と共に、前頭葉機能の改善が認められている。 誘発電位による検討と平行して、機能的MRIによる前頭葉機能の検討も行った。まず行動抑制として、「じゃんけん」で意図的に負けるという習熟行為の抑制を健常者で検討した。その結果、「じゃんけん」行為が主として左半球の頭頂葉、前頭前野および運動感覚野を含む神経ネットワークが関与していること、そして習熟行為の抑制には左下前頭回の前方という比較的限局した部位が関与することが明らかとなった。それ以外の課題として、仮名拾いテストおよびハノイの塔課題を用いて、前頭葉を含む神経回路の賦活を明らかにした。
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