配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
メタロチオネイン(MT)とくにMT-IIIのパーキンソン病やその発症基盤としての老化での動態と役割,神経変性過程における関与を明らかにするために,パーキンソン病モデル,老齢動物,培養神経細胞を用いて,MT-IIIの発現と動態,さらにそれらへのドパミン系治療薬,酸化ストレスおよび加齢の影響について検討した. 1.パーキンソン病モデル脳内のMT-III mRNA発現の変化 6-OHDA注入パーキンソン病モデルラットの障害側線条体ではlevodopa投与によるMT-III mRNAの増加はみられなかった.パーキンソン病脳ではlevodopa投与によるMT-IIIの誘導性が低下しており,酸化ストレスにより病態が進行する可能性が示唆された. 2.加齢と起炎刺激による脳内MT-III発現の変化 起炎刺激lipopolysaccaride投与により若齢ラット脳,特にオリゴデンドロサイトとミクログリアでみられるMT-IIIの著明な発現増加は,老齢ではむしろ抑制されていた.これは加齢に伴う酸化ストレスに対する脳内MT-IIIの誘導性の低下を示している. 3.分化誘導によるドパミン神経細胞株でのMT-IIIの発現と動態に関する検討 MT-IIIはドパミン系神経細胞の分化に伴って発現が増加し,脳由来抽出液中の因子との連関により細胞死が誘導される際に核内に移行することを明らかにできた. 4.MTノックアウトマウスにおけるドパミン神経障害 MT-I, IIノックアウトマウスでは,6-OHDA脳室内投与による黒質ドパミン神経細胞の脱落がさらに増悪した.これにより,MT-I, IIがそのフリーラジカル消去能によりドパミン神経障害に対して防御的に働いていることを明らかにできた.
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