研究課題/領域番号 |
11670630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
若松 延昭 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 部長 (60274198)
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研究分担者 |
山田 憲一郎 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (30291173)
山田 裕一 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 室長 (70191343)
鬼頭 浩史 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 主任研究員 (40291174)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | α-マンノシドーシス / ナンセンス変異 / 軽症型 / 不安定mRNA / スプライシング異常 / α-マンノシダーゼ-シス / α-マンノシダーゼ / HEK293細胞 |
研究概要 |
α-マンノシドーシスは、リソソーム水解酵素α-マンノシダーゼの欠損によりリソソーム内にマンノースを含むオリゴ糖が蓄積し、知的障害、難聴、粗な顔貌、肝脾腫等の症状を呈する常染色体劣性の遺伝病である。α-マンノシダーゼは学童期までに死亡する重症型(I型)と比較的予後の良好な軽症型(II型)に分類されているが、2つの臨床型に移行が見られ、その分類に疑問を示す報告も見られる。先に我々は、初めて本邦の42と47歳の姉妹例を含む6例の患者の遺伝子変異を明らかにし報告した。軽症の姉妹例では知的障害、難聴、粗な顔貌、歩行障害(痙性、失調性歩行)が共通に認められた。患者α-マンノシダーゼの遺伝子解析を行い、exon19内にArg760Stop(CGA→TGA、R760X)のホモ接合体変異を同定した。 今回我々は、終止コドンが認められる軽症型の姉妹例のα-マンノシダーゼmRNAを解析し、患者α-マンノシダーゼmRNAには通常認められないエクソン19を含まない異常なmRNAが出現し、mRNA量は正常量の10%以下に低下していることを明らかにした。さらに、培養細胞を用いた発現実験では、R760Xを含むα-マンノシダーゼmRNAの過剰発現により作られるα-マンノシダーゼ蛋白は、正常なスプライシングが消失し、その酵素活性は失活していた。以上より1)不安定mRNAと2)蛋白のプロセッシング異常により、患者のα-マンノシダーゼ活性が失活することが明らかになった。従って、α-マンノシダーゼの酵素活性が失活しても、患者は軽症を呈することが示された。
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