研究課題/領域番号 |
11670669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
西垣 和彦 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (60198447)
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研究分担者 |
藤原 久義 岐阜大学, 医学部, 教授 (80115930)
竹村 元三 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (40283311)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | sFasの腹腔内投与 / 血漿sFas / アポトーシス / 心不全 / 予後 |
研究概要 |
第1に、昨年作成した心筋梗塞後12週令の心不全ラットモデルにおいて、アポトーシス抑制因子である血漿sFas濃度を測定し、アポトーシス関連因子の検討を行った。その結果、心不全ラットにおいて、血漿sFasの上昇がみられることが明らかになった。 また、その心筋組織において、アポトーシスのマーカーであるDNA fragmentationの存在を示唆するTUNEL陽性心筋細胞の増大と、アポトーシス誘導因子であるFasおよびBaxのウェスターンによる蛋白レベルならびにPCR、ノーザンおよびin situ hybridizationによるup regulationを認めた。しかし、心筋組織の電顕的観察では、心筋細胞の肥大、変性ならびに核の変形はみられたが、核クロマチンの特異的凝集、細胞のshrinkage、budding、apoptotic body等のアポトーシスを示唆する所見を持った心筋細胞はみられなかった。光顕レベルでのヘマトキシリン・エオジン、elastic von GiesonおよびMasson trichrome染色で、線維化など心筋細胞死があったことを示唆する所見があった。また、TUNEL陽性心筋細胞の頻度は1%以下であった。したがって、電顕でのアポトーシス所見の欠如は、心筋細胞にアポトーシスがないことを意味するのではなく、電顕による観察領域があまりに小さいためと思われた。 第2に、上記の心不全ラットモデルにsFasを腹腔内投与を行った。しかし、血漿sFasに有意の持続的上昇を生じるには至らず、心不全の改善効果も確認できなかった。これは、血漿sFasのターンオーバーが予想より早く、我々の用いたsFasの腹腔内投与では、血漿sFasレベルの増大が期待できないためと思われる。したがって、血漿sFas濃度を長期にわたり持続的に上昇させるためには、特に心筋組織においてそれを可能にするためには、本研究における腹腔内投与法では限界があり、sFasの遺伝子治療が必要と思われる。
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