研究課題/領域番号 |
11670680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
久留 一郎 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60211504)
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研究分担者 |
田中 保則 鳥取大学, 医学部, 助手 (60294310)
太田原 顕 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手
荻野 和秀 鳥取大学, 医学部, 講師 (70294311)
谷口 晋一 鳥取大学, 医学部, 助手 (30304207)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | AMP deaminase / Ischemic peconditioning / myosin heavy chain / ヒト心臓 / AMP deaminase、 / AMP deaminase family / ミオシン重鎖 |
研究概要 |
短時間虚血再潅流後の心筋梗塞サイズを縮小するischemic preconditioningを促進するmediatorがadenosineである.Adenosineは細胞より放出されるAMPが細胞外のecto5'-nucleotidaseにより代謝され産生される.さらに細胞内のcytosolic-5'nucleotidaseが虚血時に細胞内に蓄積するAMPをadenosineへ変換する.一方、AMP deaminaseはAMPをIMPに変換する酵素であり筋型(AMPD1)、肝型(AMPD2)、赤血球型(AMPD3)というAMPD familyを形成する.心臓のAMPDの活性化はAMPのIMPへの異化亢進を促進する為、ecto及びcytosolic5'-nucleotidaseの基質低下に繋がりadenosine産生が減少する可能性がある.本研究の目的は心臓でのAMPDの分布とその活性化機構を検討しさらに5'-nucleotidaseとの関連を考察する.結果:心臓移植時に得られた不全心臓を用いて左右の心房筋及び心室筋に発現するAMPD familyのmRNAをRT-PCRにより測定した.右房節にはAMPD1,2,8共にmRNA発現と酵素活性を認めたが左房、左室、右室にはAMPD2,3は発現していたが、AMPD1は発現及び酵素活性共に認めなかった.この結果はヒト不全心臓においてAMPD2及び3が重要である事を示す.AMPD1はミオシン重鎖と結合して活性化する事が知られておりさらにN-末にミオシン結合部位が存在する.実際AMPD2、3はAMPD1と高い相同性を有しており、N末側にミオシン結合motifを保有していた.COS7細胞にmyc-tagをN末に持つAMPD familyとミオシン重鎖を発現し局在を抗myc抗体と抗ミオシン重鎖抗体で検討するとAMPD1及び3はミオシン重鎖に結合するが、AMPD2は結合性が低い.myc-tagをN末に持つAMPD familyとミオシン重鎖をCOS7細胞に共発現し抗ミオシン重鎖抗体で免疫沈降し抗myc抗体でimmunoblottしてもAMPD1と3はミオシン重鎖と結合するがAMPD2は結合性が弱い.次にAMPD familyがミオシン重鎖と結合し活性化出来るか否かを検討した.AMPD1活性はミオシン重鎖と共発現すると有意に活性が上昇するが、AMPD3及び2はミオシンと共発現しても活性が上昇しなかった。そこで虚血下でのvivo rat model AMPD1(骨格筋)とAMPD3(心筋)のミオシン結合性と酵素活性の変化を見た。骨格筋のAMPD活性は虚血時のミオシン分画で有意に上昇するが心筋のAMPD活性はミオシン分画では上昇がなかった.以上の結果は虚血心筋においてAMPD3はミオシン重鎖と結合するが酵素活性の上昇には関与しない.即ち心臓型AMPD3は基質のAMPを異化する事でecto及びcytosolic 5'-nucleotidaseの活性に影響する事が示唆された.
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