研究課題/領域番号 |
11670690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北園 孝成 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70284487)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 脳血管 / 内皮細胞 / シグナル伝達 / カルシウム / 一酸化窒素 / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
脳血管拡張反応の主要な媒介因子は内皮細胞の産生する一酸化窒素(NO)である。内皮細胞におけるNO合成酵素の活性化には、細胞内のカルシウムイオンが重要な役割を担うことが知られているが、内皮細胞が刺激を受けた際の詳細な細胞内シグナル伝達機構は明らかになっていない。本研究では、増殖因子受容体や癌遺伝子のシグナル伝達に重要な役割を担う蛋白燐酸化酵素であるチロシンキナーゼ(PTK)及びフォスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3-K)の、内皮細胞におけるシグナル伝達機構における役割について検討した。 頭窓法を用いて、in vivoにおける脳底動脈拡張反応を観察した。アセチルコリンは、脳底動脈はNOによる拡張反応を引き起こした。この拡張反応は、PTK並びにPI3-Kの阻害剤によって有意に阻害された。一方、NOの供与体であるニトロプルシッドも濃度依存的に脳底動脈拡張反応を引き起こしたが、これらの阻害剤はその拡張反応を抑制しなかった。このことより、両燐酸化酵素は、脳底動脈内皮細胞におけるNO合成酵素活性化のシグナル伝達に重要な役割を担うことが明らかになった。 次に、脳底動脈内皮細胞のカルシウム動態を蛍光性指示薬Indo-1を用いて検討した。PTK阻害剤は初期のスパイク相に有意な影響を及ぼさなかったが、後半のプラトー相(カルシウム流入)を著明に阻害した。一方、PI3-K阻害剤は、アセチルコリンによる細胞内カルシウム濃度変化に有意な影響を及ぼさなかった。すなわち、PTKからのシグナルは、カルシウム流入とPI3-Kの活性化を引き起こし、PI3-Kはカルシウム動態と無関係の機序を介して、NO合成酵素の活性化を引き起こしていると考えられた。
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