研究課題/領域番号 |
11670699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
浅野 正久 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (10137078)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 動脈平滑筋 / 筋小胞体 / Ca^<2+>流入 / Ca^<2+>取り込み / Ca^<2+>sparks / Ca^<2+>排出 / Ca^<2+>活性化K^+チャネル / 本態性高血圧症 / Ca^<2+> sparks / 動脈平衡筋 |
研究概要 |
血管平滑筋細胞の筋小胞体の役割として、Superficial Buffer Barrier仮説とCa^<2+>sparksで代表される一連の抑制機構が注目されている。本研究では細胞膜直下の筋小胞体が果たす役割を高血圧自然発症ラット(SHR)と正常血圧ウイスターキョウトラット(WKY)とで比較検討し、以下の成果を得た。1.SHRの大腿動脈、腸間膜動脈およびその第2-3分枝、頚動脈などでは静止時において大量のCa^<2+>が流入しており、その大部分は筋小胞体に取り込まれている。取り込まれたCa^<2+>は細胞膜方向へsparkされ、細胞外へ排出されると同時にCa^<2+>活性化K^+(K_<Ca>)チャネルの著しい活性化がみられた。この活性化には筋小胞体に依存する経路(静止時に流入したCa^<2+>は細胞膜直下の筋小胞体に取り込まれ、筋小胞体のCa^<2+>が細胞膜側へ放出されK_<Ca>チャネルが活性化される経路;Ca^<2+>sparks)と依存しない経路(静止時に流入したCa^<2+>2+が直接K_<Ca>チャネルを活性化する経路)があり、筋小胞体に依存する経路により20-30%の収縮が抑制された。2.WKYの各動脈の静止時において流入したCa^<2+>は筋小胞体に取り込まれており、取り込まれたCa^<2+>は細胞膜方向へ放出され、細胞外へ排出されており、この時K_<Ca>チャネルの活性化は弱かった。このように、SHR動脈では静止時において平滑筋細胞内に流入したCa^<2+>の大部分は細胞膜直下の筋小胞体にCa^<2+>-ATPaseを介して取り込まれて緩衝されており、取り込まれたCa^<2+>は常に細胞膜方向へsparkされ、細胞外へ排出されると同時にK_<Caチャネルを活性化していると考えられる。これらの抑制機構は大量のCa^<2+>流入に対して代償的に機能し、細胞内Ca2+濃度を出来るだけ低く保つ役割を持っている。SHR動脈では筋小胞体のCa^<2+>貯蔵能を増加させてこれらの抑制機構を作動させているようである。
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