研究課題/領域番号 |
11670701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
辰巳 哲也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20254328)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | apoptosis / myocytes / ATP / mitochondria / cytochrome C / cytochrome c |
研究概要 |
心筋の虚血はnecrosisを導くとともにapoptosisを誘導する強力な因子である。我々は心筋細胞に低酸素化傷害を行った系を用いてapoptosis決定及び実行過程における細胞内エネルギーの役割を検討した。ラット新生仔培養心筋細胞を用いて7時間の低酸素化を行ない、Normoxia群(N群)とともに低酸素化(Hypoxia)時にTyrode液中のglucose濃度を0(H0群)、10(H10群)、20(H20群)、50(H50群)、100(H100群)mg/dlと変化させた群を作製した。低酸素化前後の細胞内ATP量はH0群、H10群、H20群、H50群で各々N群の15%、31%、59%、81%に減少した。低酸素化後、calcein及びethidium homodimer-1染色にて評価した心筋細胞のnecrosisはH0群、H10群、H20群で61%、48%、9%と有意に増加し、またHoe33258及びdesmin二重染色にて評価した心筋細胞のapoptosisはH20群、H50群、H100群で4%、9%、12%と有意に増加した。細胞内ATP含量とapoptosisには有意な正の相関(r=0.873,p<0.0001)がみられ、DNA ladder法によるDNAのfragmentationもATP依存性に顕著にみられた。低酸素化後の心筋細胞のcaspase-3活性は各群でATP依存性に有意に上昇していた。さらにH0群、H100群ともに低酸素化によりmitochondriaの膜電位の低下およびcytochrome cのmitochondriaからcytosolへの遊離が同程度みられた。これらの結果より心筋細胞の低酸素化により誘導されるnecrosisおよびapoptosisには、mitochondriaの膜電位の低下やmitochodriaからのcytochrome cの遊離といったmitochondriaを介する共通のdeath signaling pathwayが存在し、心筋細胞apoptosisの誘導にはcaspase-3を介する、細胞内ATPに依存するカスケードが存在することが示唆された。我々は、低酸素化時にmitochondriaを介するdeath signaling pathwayを活性化させるトリガーとしてbaxに注目しており、現在低酸素化刺激によるbaxの細胞内局在の変化について検討中である。
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