研究課題/領域番号 |
11670702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
田中 秀央 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60236619)
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研究分担者 |
高松 哲郎 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (40154900)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カルシウム / カルシウム波 / 撃発活動 / 不整脈 / 心筋傷害 / 共焦点レーザ顕微鏡 / ランゲンドルフ潅流心 |
研究概要 |
不整脈の発生に、心筋細胞内のカルシウム動態の異常が重要な役割りを演じることは、古くから考えられている。しかしながら生体位(in situ)心の心筋カルシウム動態が、実際の不整脈発生に如何に寄与するかは明らかではない。本研究では、摘出灌流心に共焦点レーザ顕微鏡を適用することにより、機能しているまるごとの心臓の心筋細胞内カルシウム波の動態を解析し、以下の結果を得た。 1)心臓を静止状態下に観察すると、カルシウム波は正常の部位にも発生し、さらにカルシウム過負荷の増強に伴い、より高伝播速度で高頻度かつ広範に発生した。 2)カルシウム過負荷の状態にあるカルシウム波は、細胞間を伝播し易く、周囲のカルシウムトランジェントにより打ち消されたが、不可逆的な高度のカルシウム過負荷にある細胞では、細胞間伝播せず、カルシウムトランジェントの影響を受けないカルシウム波が観察された。 3)心表面に液体窒素を充て、局所的な壊死巣を作成すると境界部に高頻度のカルシウム波が広範に観察された。これらは、壊死部に隣接してカルシウムトランジェントの影響を受けない高頻度のものと、カルシウムトランジェントに打ち消される壊死部近傍のものが発生した。 4)境界部のカルシウム波は、静止状態に比べて、持続する心拍時においてより高頻度に発生し、その興奮頻度が高いほど発生頻度も高かった。 5)凍結壊死を施した傷害心では、2-3Hzの高頻度刺激の停止直後に撃発活動が発生しやすく、刺激中に心室頻拍や心室細動も発生しやすい傾向を示した。 以上の結果から、心臓は傷害をうけるとカルシウム波が発生しやすくなり、これが撃発自動能や、頻脈性不整脈を起こしやすい状況に結びつくことが明らかになった。
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