研究課題/領域番号 |
11670717
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
今西 愿 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90108689)
|
研究分担者 |
倉田 康孝 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00267725)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ブラジキニン / 心筋 / 興奮収縮連関 / 微小電極法 / ストレゲージ法 / パッチクランプ法 / ランプクランプ / ブラジキニシ / ストレンゲージ法 / カルシウム電流 |
研究概要 |
<目的・方法> 近年、心不全や高血圧などに対しアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬が利用され、有効であるとの報告が相次いでいる。これは、本剤投与によりブラジキニン(BK)活性の増強が生じることによると考えられ、また心室筋細胞膜にもBK受容体(B_2)は存在する。しかしBKの興奮収縮連関に関する報告は極めて少ない。そこで、モルモット心房・心室筋やヒト心房筋を標本とし、電気生理学的には微小電極法並びにパッチクランプ法を駆使し、また収縮張力に関してはストレンゲージ法を用い検討することにした。そこで得られたBKの心筋作用を分析することにより、心筋BK受容体情報伝達機構の分子生理・薬理学的解明が本研究の目的である。 <結果・考察> モルモットの心室乳頭筋を標本として活動電位と収縮張力を同時記録下にBKを添加すると、2〜3分後には活動電位持続時間延長に伴い収縮張力は増強したが(陽性変力効果)、その数分後には陰性変力効果に転じ、2相性の変化を示した。BK受容体阻害薬(HOE140)存在下や心内皮細胞を選択的に除去(TritonX)すると、後半の陰性変力作用が減弱する傾向がみられた。この所見はBKの後半の作用は、BK受容体を介する内皮産生物質による作用発現の可能性が示唆される。前半の陽性変力効果は、BKによる交感神経末端からノルアドレナリン分泌によりもたらされたとも推定できる。他方、モルモット単離心室筋細胞から得た活動電位とランプクランプによる半定常状態の電流-電圧曲線に対するBK(10^<-6>M)の作用を検討したところ、両者ともにBKの有意な効果は認めなかった。また、forskolin(10^<-5>M)存在下で延長した活動電位に対しては、BKは著しい短縮作用を呈した。この作用は心室筋に比して心房筋で強く見られた。この結果は、Aキナーゼの十分な活性化に伴ないL型Ca^<2+>電流が増加した状態下でBKはこれを強く抑制するが、β受容体刺激やforskolin無しでAキナーゼ活性の欠如した状態下ではBKの作用は欠落するか非常に弱くなると考えている。また、B_2受容体の分布密度は心室筋に比して心房筋で大である可能性が示唆される。BKの心筋直接作用に関しては緒についたばかりで、年度内に意図した目的に達することは出来なかった。今後共本研究は継続する予定である。
|