研究課題/領域番号 |
11670742
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 美由紀 (2000-2001) 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60205391)
大西 宏明 (1999) 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80291326)
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研究分担者 |
川口 裕之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00313130)
滝 智彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50322053)
林 泰秀 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30238133)
小林 美由紀 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60205391)
別所 文雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40010285)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 乳児白血病 / 11q23転座 / MLL遺伝子 / ABI-1遺伝子 / AF4q31遺伝子 / SEPTIN6遺伝子 / LF4遺伝子 / AF4遺伝子 / AF5q31遺伝子 / t(4 ; 11) / gene chip / LAF4遺伝子 / FMR2遺伝子 / t(4;11) |
研究概要 |
乳児白血病では11q23転座型が高頻度にみられ、この転座型はALLでは予後不良である。11q23領域より単離されたMLL遺伝子を用いて今回は3種の相手遺伝子を単離した。乳児t(10;11)-AMLから単離したABI-1は、Ablに結合する蛋白として単離されたマウスAbi-1のヒト相同体であり、癌抑制遺伝子としての機能が推測されている。ABI-1の3種のアイソフォームの1つは受容体型チロシンキナーゼの基質であるeps8と結合する蛋白として同定されたe3B1と同一であることが明らかとなった。乳児ALLでみられたins t(5;11)よりAF5q31遺伝子を単離した。この遺伝子は16個以上のエクソンから構成され、1163のアミノ酸をコードし、t(4;11)から単離されたAF4遺伝子産物と高い相同性を有し、さらにLAF4、FMR2とも高い相同性を示した。AF5q31とAF4は、成人組織では種々の組織で強く発現していたが、胎児組織では、AF5q31の発現は心臓、肺、脳、肝臓ではほとんど発現していなかったが、AF4は肺、脳、肝臓での発現が強かったのに対して心臓ではほとんど発現していなかった。このMLL-AF5q31キメラ遺伝子をもつ乳児白血病は、白血病表面膜抗原はB前駆型で予後不良であった。ins(5;11)-ALLはt(4;11)-ALLと同じsubtypeに属するものと考えられた。t(X;11)-AMLより単離したSEPTIN6遺伝子は12個のエクソンから構成され、タイプ1は427個、タイプ2は434個のアミノ酸をコードし、t(11;17)から単離されたAF17q25遺伝子産物と高い相同性を有し、さらにt(11;22)から単離されたCDCREL1とも高い相同性を示した。SEPTIN6の切断点はAF17q25と同様N末端側に存在し、ほぼ全長がMLLと融合し、類似の融合蛋白を形成すると考えられた。SEPTIN6とAF17q25は、成人組織では脳を除いたほとんどの組織で強く発現していたが、このMLL-SEPTIN6キメラ遺伝子をもつ乳児AMLは、3例ともFAB分類M1とM2であり、従来のMLL再構成のあるM4,M5とは異なっていた。我々の単離した3種の遺伝子とMLLとの融合遺伝子の機能解析は、11q23転座型白血病と乳児白血病の病態解明に貢献するものと思われる。
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