研究課題/領域番号 |
11670768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
布井 博幸 熊本大学, 医学部, 助教授 (50218260)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 慢性肉芽腫症 / gp91-phox / 遺伝子治療 / MND-gp91 / PAM51 / PA317 / MFGS-gp91 / 293 / SPA / IFN-g / PAMP51 レトルウイルス・ベクター / PA317 レトルウイルス・ベクター / SPA レトルウイルス・ベクター / 慢性肉芽腫症遺伝子治療 / MIND-gp91ベクター / Ha-MDR-IRES-gp91ベクター / 239・SPAベクター / 病型分類 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
慢性肉芽腫症は食細胞の活性酸素産生障害がその原因である。私はこれまで、この活性酸素産生酵素を構成する蛋白の精製や遺伝子のクローニングおよび患者遺伝子解析を行ってきた。さらに1994年から同疾患の臨床応用可能な遺伝子治療ウイルスベクター開発を行ってきた。その間、使用してきたウイルスベクターで予測される臨床応用の際の問題点が明らかになってきた。すなわち、蛋白発現効率が悪いこと、高ウイルスタイターのベクターが取れにくいこと、遺伝子導入後に蛋白発現が弱くなったりすることである。遺伝子導入後の蛋白発現効率とその安定的な発現がウイルスプロモーターのメチル化による不活化によるのではないかと考えられ、メチル化を起こりにくくしたMNDレトロウイルスベクターの開発を目指した。MND-gp91ベクターを用いた今回の研究により、安定した、しかも蛋白発現効率のよいベクターの開発が期待され、次世代のベクター系だと考えられた。これに加え、日本で開発された高力化レトロウイルスプロジューサー細胞として知られたPAMP51細胞を用いることにより、新しい遺伝子治療用ベクターの開発を目指した。まず、MND-gp91プラスミドをtransfectし、MND-gp91/PAMP51レトロウイルスのクローニングを試みた。しかし、このベクターは選択マーカーを持っていないため、FACSのみによる解析となり、ウイルスの力価が高力化のものでもMND-gp91/PA317のウイルスの力価の23倍(すなわち12X10 ^5)でしかなく、十分な遺伝子導入実験が出来なかった。またこのMND-gp91/PAM51レトロウイルスを用いて、患者B細胞への遺伝子導入実験を行ったが、4 5%の活性回復しか得られず、導入前後での不活性化による影響を十分確認できなかった。 一方、遺伝子治療に先立つサイトカイ療法では、一連の慢性肉芽腫症患者遺伝子解析から、世界で恐らく2例目となるIFN-γ反応性の家系を確認し、それがIFN-γによるスプライス変化を来すことによる事を初めて明らかにした。同様な変異を持つ患者が現在まで8家系報告されており、サイトカイ療法の更なる確認が必要と考えている。
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