研究課題/領域番号 |
11670783
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
新井 正一 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (60257748)
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研究分担者 |
門間 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075233)
今村 伸一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00176497)
松岡 瑠美子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50120051)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肥大型心筋症 / 心筋トロポニンT遺伝子 / 心筋βミオシン重鎖遺伝子 / 遺伝子変異 / 家族性肥大型心筋症 / サルコメア収縮蛋白遺伝子 / ミスセンス変異 |
研究概要 |
肥大型心筋症は心筋細胞の錯綜配列、左室の異常肥大を呈する心筋疾患で半数以上で家族内発症、単純優性遺伝の形態をとる。年間2〜4%で突然死をきたし、長期経過中、劇的な変化を示す。本研究は家族性肥大型心筋症家系のうち約15%でミスセンス変異が報告され予後も悪い心筋トロポニンT(Tn-T)遺伝子のミスセンス変異の検索を行い臨床症状との関係を明らかにし肥大型心筋症の早期診断ならびに早期治療に役立てることを目的とする。 東京女子医大で肥大型心筋症家系のリンパ球細胞株化バンクに保管されている57検体の疾患遺伝子の検索と臨床所見の検討を行った。その結果、肥大型心筋症の3家系においてTn-T遺伝子に変異(Arg92Trp、Phel10Ile、Lys253Arg)、1家系でβ心筋ミオシン重鎖(β-MHC)遺伝子に変異(Gly741Trp)を確認した。対象家系をKaplan-Meier分析による生存曲線を比較したところ臨床症状で肥大が軽度と思われたTn-T遺伝子異常Arg92Trpを持った家系が一番悪く、次いでβ-MHC遺伝子異常Gly741Trpを持った家系、そしてTn-T遺伝子Phel10Ileの順であった。一般的に、Tn-Tの遺伝子変異は、心室壁の肥大は比較的軽度であるが、拡張相肥大型心筋症に移行する例がしばしば認められ予後が不良とさてきた。本結果より、Tn-T遺伝子変異の場所(位置)により予後の悪い家系とそうでない家系があることが示唆される。また同一家系内さらには遺伝子系(同じ場所に変異を持っている)は同一でも表現系(臨床所見や光顕所見、電顕所見など)に差異が認められることが示唆される。今後は表現系の差異が出る原因の究明、さらには遺伝子に変異を持っている患者でも如何にすれば発症を遅らせたり症状の軽減が図れるかなどを解明することが今後の課題と考える。
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