研究概要 |
ラット成長ホルモン(rGH)、インシュリン様成長因子タイプ1(IGF-1)生食(対照群)を正常ラット、成長ホルモン欠損ラット(SDR)に急性・慢性投与して、ラット脳内のソマトスタテン(SRIF),ニューロペプチドY(NPY),γ-アミノ酪酸(GABA)を測定した。各群ともに6〜7匹に増やしたところ、正常ラットにおいては、rGH, IGF-1慢性投与にて扁桃核のSRIF濃度に対照群と比較して、有意な減少を認めた。SDRにおいては、rGH急性投与にて大脳皮質のNPY濃度、GABA濃度に対照群と比較して有意な減少、γGH慢性投与にて線条体のNPY濃度に対照群と比較して有意な増加を認めた。IGF慢性投与にて海馬のNPY濃度に対照群と比較して有意な減少を認めた。 SDR線条体に微小透析膜プローベを植え込み、微小透析中のアスパラギン酸(Asp),グルタミン酸(Glu)濃度を各群とともに、6〜7匹に増やして検討した。rGH急性投与にて投与直後から30分後の透析液中のGABA濃度は対照群と比較して、有意な増加を認めた。rGH慢性投与には微小透析液中Glu, GABA濃度には有意な変化が認められなかった。 IGF-1慢性投与にて、投与150分後〜270分後において微小透析液中のAsp濃度は対照群と比較して有意な減少を認めた。 しかし、これらのラット脳内SRIF, NPY, GABA, Asp, Gluの変化が直接けいれん惹起性と関連いているかというと必ずしもそうではない。ラット脳各部にてSRIF濃度には変化が認められなかった。rGHの慢性投与にてGABAの有意な変化がみられなかった。これらのことは、上記のことを支持するものと思われる。
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