研究課題/領域番号 |
11670855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
岡本 祐之 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10142291)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 肉芽腫 / サルコイドーシス / 多核巨細胞 / MDP / ラングハンス型 / 異物型 / CD14 / CD16 / トラニラスト / 単球 |
研究概要 |
末梢血単核球のConA刺激培養上清にて末梢血からラングハンス型および異物型多核巨細胞(MGC)が形成され、MDPはラングハンス型巨細胞を有意に誘導することがわかった。その機序としてサイトカインの産生や接着分子の関与が想定されたが、接着分子はMGC形成には関与しているものの、ラングハンス型への誘導との明らかな関連性は見いだせなかった。次にMGC形成に関与するサイトカインを抗サイトカイン抗体を用いた中和実験で調べたところ、両MGCの形成にはIFN-γが必須であり、一方、IL-3、GM-CSFはConA刺激培養上清のみで誘導されたラングハンス型MGCの形成に関与していることが示唆された。しかし、ConA刺激培養上清にMDPを加えて誘導されるラングハンス型MGC形成に対してはそれらサイトカインでは完全に抑制されないことから、MDPは他の因子を介してラングハンス型MGCを誘導することが想定された。なお、細胞外基質の存在下でさらに多数のMGCが形成され、細胞性フィブロネクチンはLGC形成に関与していることが認められた。MGCの前駆細胞については、初年度に単球であることが示唆され、さらに詳細に検討したところ、GM-CSF刺激単球からはM-CSH透導マクロファージからと同様にMGCの形成が乏しく、また、CD14^<++>16^-、CD14^+16^+単球を比較すると、CD14^<++>16^-はMGCを形成したが、CD14^+16^+では認められなかった。そのため、MGC形成に関わる細胞はCD14^<++>16^-単球であることが判明した。次に、サルコイドーシス患者の単球のMGC形成率を調べたところ、正常人よりも有意に形成の上昇が認められ、BzATP処置後のLDH遊離アッセイによりP2X7受容体の発現亢進がサルコイドーシス患者での高いMGC形成に関与していることが示唆された。また、サルコイドーシスでその臨床効果が報告されているトラニラストはこのようなMGC形成を抑制し、単球のCD54発現を低下させたため、単球に直接作用し奏効すると考えられた。
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