研究課題/領域番号 |
11670858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
阿部 由直 弘前大学, 医学部, 教授 (10167950)
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研究分担者 |
阿保 満 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (30322952)
青木 昌彦 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70292141)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 放射線治療 / 分割照射 / 増殖促進効果 / 炭素線照射 / 高LET放射線治療 / 小腸腺窩 / 再増殖 / accelerated proliferation / accelerated proliferantion / 重イオン線 / 高LET / 炭素線 / 小腸コロニー法 / 多分割照射 / RBE |
研究概要 |
放射線治療において、治療効果を妨げる一因として分割照射中の再増殖(増殖促進効果)がある。これまでにマウス小腸腺窩を用いて増殖促進効果の機構を明らかにしてきた。要約すると以下の通りである。マウス小腸腺窩では分割照射中に再増殖が生じ、一日投与線量に再増殖の程度は依存した。増殖の因子であるポテンシアル倍加時間Tpotの短縮と細胞喪失因子である腺窩から絨毛への移行の遅延が観察され、これら二つの機構が増殖促進効果に関係していることを明らかにした。 本研究は、これらの再増殖が高LETである重粒子イオンビームにより抑制されるのかどうかについて検討したものである。炭素線70keV/μm(290MeV/u)を6cmの拡大ブラッグピークを用いて照射した。エンドポイントはコロニー法とした。小腸腺窩コロニーのRBE(相対的生物効果比)を得たのち、分割照射にトップアップ線量を加え、光子線であるX線のデータと比較評価した。実験は(1)大線量1回照射(2)均等2分割照射(3)小分割1日+トップアップ線量1回(4)小分割2日+トップアップ線量1回(5)小分割3日+トップアップ線量1回であった。なお小分割の線量は炭素線が1Gyで、X線を2Gyとした。 この結果、重粒子線の分割照射により生じる小腸腺窩の生存率は、光子線の結果よりも感受性の側にあることがしめされた。原因としては修復不全あるいは増殖促進効果の抑制が示唆される。4時間間隔の均等2分割照射の実験では時間間隔内に修復はほぼ完全に完成してた。したがって炭素線の分割照射により増殖促進効果が抑制されることを示した。 なお本研究の炭素線ビームの使用については放射線医学総合研究所の共同研究の一環として行った。 その他にヒト腫瘍での増殖あらびに酸素に関与する因子等について検討した。
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