研究概要 |
【目的】高磁場(3.0T)装置において膝関節の高分解能MB画像を撮像し、その微細構造物の描出能を1.0T装置と比較検討した。 【方法】3.0T装置と1.0T装置は共にGE社製Signa Horizonで頭部用コイルを用いた。ブタ切断膝を用いて、冠状断を中心に両者同一の条件でT1強調画像を撮像した(SE400/15,16kHz,FOV10×10cm,512×256matrix,面内分解能0.195×0.39mm,厚さ3.0mm,gap1.5mm,3NEX.撮像時間5分14秒)。3.0T装置と1.0T装置の各々の近似する画像にてROIを関節内外の構造物とバックグラウンド(空気)に設定し、各平均信号強度と標準偏差を計測した。これをもとに信号強度をバックグラウンドの標準偏差で除してSNRを算出し、また外側半月板の健常部と変性部との信号強度の差からCNRを得た。 【結果】関節軟骨の3.0T装置/1.0T装置のSNRは14.7/8.73であった。同様に皮下脂肪、外側半月板健常部のSNBは、各々20.1/13.2、3.21/2.20であった。外側半月板の変性部の健常部に対するCNRは1.81/1.11であった。十字靭帯や側副靭帯の内部構造とそれらの付着部の描出能も3.0T装置が視覚的に優れていた。 【結論】3.0T装置によるMR画像は同一条件で撮像した1.0T装置の画像に対して約1.5倍のSNRを示し、膝関節内外の微細構造物の高分解能画像にその優位性を示した。
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