研究分担者 |
清末 一路 大分医科大学, 医学部, 助手 (40264345)
松本 俊郎 大分医科大学, 医学部, 助教授 (80219500)
森 宣 大分医科大学, 医学部, 教授 (20128226)
三宅 秀敏 (三宅 秀俊) 大分医科大学, 医学部, 教授 (20136675)
山田 康成 大分医科大学, 医学部, 助手 (60244183)
|
研究概要 |
胆管癌の局所浸潤(脈管浸潤,膵浸潤,神経叢浸澗)を造影剤急速静注後のthin sectional helical CTにより評価し,手術所見および摘出標本の病理組織像との比較検討を行った. 対象は当該研究期間において手術が施行され,病理組織学的に下部胆管癌と診断された10例(男性5例,女性5例)である.CTは8例でスライス厚51mm,テーブル移動速度5mm/秒,画像再構成間隔2.5mm,2例でスライス厚7mm,テーブル移動速度7mm,画像再構成間隔3.5mmで設定した.造影剤(iopamidol 370mg/ml)を3km/秒で急速静注した後,40秒(動脈優位相),70秒(門脈優位相),150秒(遅延相)のタイミングで撮像した. 結果は全例で腫瘍の同定が可能であり,周囲膵実質と比較した内部濃度は,動脈優位相では9例で低吸収を,1例で等吸収を呈し,遅延相では2例で低吸収,6例で等吸収,2例で高吸収を呈し,腫瘍内部の線維化や分化度,膵実質の随伴性変化の程度を反映していた.脈管浸潤は腫瘍と脈管との連続性およびその接する範囲により評価を行い,sensitivity 100%(3/3),specficity 97%(37/38)の結果が得られた.False positiveの要因は周囲の随伴性変化によるものと思われた.膵浸潤の程度は腫瘍と膵実質との境界の不明瞭さにより評価を行い,sensitivity 87.5%(7/8),specificity 100%(2/2)であった.False negative症例は5mm未満の軽度の膵浸潤症例であった.膵頭神経叢第II部への浸潤の程度は腫瘍と上腸間膜動脈・下膵十二指腸動脈との連続性および周囲の濃度の変化で評価し,sensitivity 100%(2/2),specificity 100%(8/8)であった. Thin sectional helical CTは胆管癌の局所浸潤の評価に有用であると思われた.
|