研究課題/領域番号 |
11670907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
神納 敏夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20254401)
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研究分担者 |
山田 龍作 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90047085)
中村 健治 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00145781)
松岡 利幸 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (40295697)
神脳 敏夫 大阪市立大学, 放射線医学教室, 助手 (20254401)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 門脈圧亢進症 / 脾腎静脈短絡術 / IVR / ステント / Interventional Radiology / IUR / スチント |
研究概要 |
本研究は経頚静脈肝内門脈静脈短絡術(TIPS)において高率に発生する肝性脳症を予防し、同等の効果を得ることのできる新しい治療法である経皮的後腹膜脾腎静脈短絡形成術(PRESS)の開発と基礎的研究である。 本法は経皮的に左腎静脈と脾静脈間にステントを用いて短絡路を作成するもので、まず、手技の確立を行うために8頭の豚を用い、専用の穿刺器具を自作し急性期実験を行った。この実験により、経皮的に脾腎静脈短絡の作成が安全に行えることが証明された。また、術前処置として行った脾静脈中枢部の塞栓により上昇した脾静脈圧は短絡形成により速やかに下降し、減圧効果も充分であることが証明された。 次に、本法の長期的効果を検討するため、13頭の豚により実験を行った。短絡路は1週間後には高度狭窄し2週以降には高率に閉塞した。1頭は経過観察中に死亡し、開腹所見にて後腹膜に高度の浮腫性変化を認め、膵炎が考えられた。後腹膜に留置されたステントは一部膵実質を貫通していた。その他の豚では閉塞時に開腹されたが、ステントは後腹膜に位置し、周囲の血腫形成は軽度で、腹腔内の出血などは見られなかった。早期の短絡路閉塞の原因としては、今回の実験に用いた豚が肝硬変モデルではないため、門脈圧自体は正常であるため、脾静脈と左腎静脈の間に充分な圧較差が存在しなかったためと考えられた。 本研究により、経皮的な手技において脾静脈-腎静脈短絡の作成が安全に行えることが証明されたことにより、高度な技術を要する外科的脾腎静脈短絡術が侵襲の少ない経皮的な手技により作成可能なことが証明された。豚では脾静脈と左腎静脈間にはやや距離があるが、静脈瘤を有する肝硬変患者では、脾静脈は蛇行し尾側に偏位するため、その距離は短く、しばしば接していることを臨床上経験しており、手技的にはより簡便かつ安全に行えるものと考えられた。ただ、臨床応用に際しては、短絡路の長期開存が可能であることを門脈圧亢進症モデルを用いた検討(実験)で明らかにする必要があると考えられた。
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