研究課題/領域番号 |
11670914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
梅田 泉 帝京大学, 薬学部, 助手 (40160791)
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研究分担者 |
西郡 秀夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (90050517)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | リポソーム / 放射免疫診断 / 放射免疫治療 / モノクローナル抗体 / がんイメージング / 内用放射線療法 / Tc-99m / レニウム / 放射免疫治療法 / 標識 / N,N'-ethylene-di-cysteine / active loading / フラグメント / がん治療 / 放射性標識 |
研究概要 |
本研究はがんの内用放射線治療の実用化を最終目的として、その実現のための道筋を示すべく実施したものである。標的組織にのみ特異的にかつ大量に放射性核種を送達するために、モノクローナル抗体の高い標的指向性と薬物担体であるリポソームの特性を組み合わせることを企画した。 1.MM46腫瘍認識モノクローナル抗体IgG MM(Ly)2a1、そのフラグメントF(ab')2あるいはFab'をリポソーム表面に結合させ、がん部位への迅速、特異的かつ十分量の放射性核種の送達に関して検討を行った。我々が用いるリポソームは単独でも高い腫瘍集積能をもつが、抗体を結合したものは明らかに腫瘍を特異的に認識しており、結果として大幅な腫瘍集積率の増加が認められた。抗体の標的指向性を十分に活かした上で、抗体あるいは抗体フラグメント単独で用いた場合に生じる様々な問題点(血中消失の遅さ、腎臓など非標的組織への放射活性の分布)を解決することができた。さらに、リポソームに封入する核種と配位子の選択により、非標的組織の被曝を低減できることも示唆した。 2.内用放射線治療に適した核種である放射性レニウム(^<186>Re/^<188>Re)を用いて、リポソームへの封入方法と生体内分布の検討を行った。非標的組織への放射活性布を低減すべく、CDを配位子とするレニウム錯体を設計・調製し、これをリポソームに封入した結果、従来の放射性核種封入リポソームで観察される肝臓や脾臓への長時間に亘る放射活性の滞留が解消し、血中消失も速まった。現時点ではがん組織に十分量の治療用核種を送達するには至っていないが、非標的組織の放射活性集積の大幅な低減は、内用放射線治療の実用化に展望を開くものである。さらにリポソームの短時間標識方法の開発も行った。 これらの成果は、我々の道筋の正しさを裏付けるものであり、本研究が内用放射線治療実用化の第1歩となるものと確信する。今後は治療用核種のリポソームへの封入方法を確立した上で、実際の治療実験を行うなど、さらに実用化を念頭に置いた研究を推進したいと考えている。
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