研究課題/領域番号 |
11670922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
佐々木 徹 財団法人 東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究員 (30158927)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アセチルコリン / PET / 脳 / アセチル-コリン |
研究概要 |
内在性リガンドと放射性リガンドのインビボ競合を利用した内在性リガンド濃度の評価 脳の内在性のアセチルコリン量の評価法の開発を目的として、放射性薬剤の評価系として、生きている脳切片を用いて培養液中で放射性薬剤の挙動をイメージングプレートを交換することでダイナミックに追跡できる(dPAT法)でアセチルコリンの合成および放出を評価できるか検討した。dPAT法で[^<11>C]コリンからアセチルコリンへ変換される過程を画像化できることが示された。また、脳切片に取込まれた放射能は、脱分極刺激によって消失した。この時、培養液からは放射性のアセチルコリンが検出されたことから、[^<11>C]コリンを用いることでアセチルコリンの合成および放出を評価できることが示唆された。内在性の神経伝達物質放出の評価法のモデル実験として、脳のドーパミン量を評価できる可能性が示唆されている[^<11>C]ラクロプライドについてdPAT法を用いた検証実験を試みた。[^<11>C]ラクロプライドの線条体への高い集積は、脱分極刺激によって内在性のドーパミンを放出させたところ有意に低下した。この変化は培養液中のドーパミンの変化と良く対応した。以上の結果は、『^<11>C]ラクロプライドを用いることで脳のドーパミン量をPETで評価できることを示すと同時に、アセチルコリンのレセプターリガンドを用いることで脳のアセチルコリン量を評価できる可能性をも示唆している。 ダイナミックポジトロン・オートラジオグラフィ法を用いたコリン取込みおよびアセチルコリン放出活性の評価 [^<11>C]コリンを用いたダイナミックポジトロン・オートラジオグラフィ法で脳組織切片のコリン取込みおよびアセチルコリン放出活性を評価できるか検討した。ラット脳切片は100mLのKrebs-Ringer液を満たした培養槽底部に並べ、[^<11>C]コリン(37MBq)と共に95%O_2+5%CO_2の下34℃でインキュベートした。切片上の放射能分布は、dPAT法でダイナミック解析した。培養液中のアセチルコリン濃度はHPLCで測定した。脳切片への[^<11>C]コリンの集積はインキュベーション時間とともに増加した。線条体への集積は、大脳皮質に比べ高かった。高K+の脱分極刺激でアセチルコリンを枯渇させた切片を作製し[^<11>C]コリン集積を検討したところ、線条体において促進が認められた。[^<11>C]コリンの集積はhigh affinity choline uptake阻害剤によって顕著に抑制された。また、脱分極刺激でアセチルコリンの放出を促進したところ、脳切片から放射能の減少が認められた。この減少は、培養液中のアセチルコリン放出パターンと対応した。本法で脳切片上でコリンの取込みおよびアセチルコリン放出活性を評価できることが示唆された。
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