研究課題/領域番号 |
11670930
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 信州大学 (2000) 東京大学 (1999) |
研究代表者 |
天野 直二 信州大学, 医学部, 教授 (10145691)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 進行性核上麻痺 / 皮質基底核変性症 / ピック病 / アルツハイマー病 / 神経変性 / 神経細胞死 / アポトーシス / タウ蛋白 / glial coiled body / tuff-shaped astrocytes |
研究概要 |
進行性核上麻痺(PSP)、皮質基底核変性症(CBD)、ピック病(PD)、アルツハイマー病(AD)、脊髄小脳変性性(SCD)で、脳の各部位によりその神経変性(神経細胞の消失、線維性グリオーシス、軸索や髄鞘の変性)の新旧に特徴がある。PSPは皮質下諸核(淡蒼球、視床下核、視床下部)が最も高度で大脳皮質(中心前回、前頭前野)は軽度であり、CBDは大脳皮質(中心前回、前頭前野)は高度で皮質下諸核は軽度であり、PDでは内側後頭側頭回、下側頭回が最も高度で皮質下諸核は軽度であり、ADは海馬傍回、海馬が最も高度で皮質下諸核は軽微である。 次にこの神経変性(特に神経細胞死)とグリア系の細胞骨格異常の関連性の検討をするためにtau-2、ubiquitin、PHF(paired helical filament)の免疫染色とGallyas-Braak染色、Holzer染色などの標本と、bax、bcl-2の免疫染色との比較検討を試みた。高度な病変部位では免疫染色の動態にはそれぞれ異同がみられたが、PSP、CBD、PD、AD、SCDのいずれの症例でもbaxでは類似しており、神経細胞の胞体や核が陽性に染まり、病変の軽微な部位では陽性を呈する所見はほとんどなかった。bcl-2では単発的に神経細胞の胞体が陽性に染まる所見はみられたが、その出現は病変の強弱とはあまり関連せず、またその嗜銀性、tau、ubiquitin、PHFなどとの特異な相関性もみられなかった。グリア系の細胞骨格異常の出現動態をみると、PSP、CBDにおける頻度は神経細胞の消失部位を越えて多く出現し、programmed cell deathとの関連の検討の必要性を示唆されたが、baxやbcl-2の動態からはその異同の特徴を結論付けることはできなかった。また、PSP、CBDにおける大脳皮質深層部における神経細胞の脱落所見における、グリア系の細胞骨格異常とアポトーシスとの関連性も今回の標本からは特異性を指摘できなかった。
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