研究課題/領域番号 |
11670937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 克治 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (50221239)
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研究分担者 |
福谷 祐賢 福井医科大学, 附属病院, 助教授 (10273004)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 老人斑 / 神経原線維変化 / アポトーシス / 白質 / 星状膠細胞 / 希突起膠細胞 / 皮質 / タウ蛋白 / ベーター蛋白 / 白質変性 |
研究概要 |
今回の研究では老人斑・神経原線維変化と神経細胞死に関する研究をおこなった。アポトーシスを示す細胞はアンギオパチーを示す小血管と古典型老人斑周囲の神経細胞とグリア細胞にみられた。神経原線維変化とアポトーシスとの関連ではタウ抗体(AT8)の免疫活性とアポトーシスとは関連がみられ、CD68やアミロイドP抗体で染色される細胞外神経原線維変化とは量的に相関が認められた。C4dやアミロイドP蛋白の免疫活性はアポトーシスの後に生じているようにみえる。Gallyas法/AT8免疫染色/TUNEL法での三重染色では、AT8陽性の神経細胞内に嗜銀性神経原線維変化が出現してくると核がTUNEL陽性となっているようである。老人斑では線維化したアミロイドの周辺に明らかなアポトーシスを示す細胞がみられ、芯のないびまん性老人斑周囲にはこれらの細胞はほとんど認められない。抗ユビキチン抗体で染色される老人斑とアポトーシス細胞の量的な相関は明確でない。統計学的には神経原線維変化よりも老人斑との相関が有意であった。またアルツハイマー病症例の非虚血性の白質変性病変では白質グリア細胞のアポトーシスが無数にみられた。グリア細胞のアポトーシスの大半は星状膠細胞と稀突起膠細胞であった。星状膠細胞は退行性変化を示すものが多く、この変化をもつ星状膠細胞にCD68陽性顆粒を胞体内に認めた。退行性変化をしめす星状膠細胞は例外なくアポトーシスを起こしており、特に側頭葉に有意に多く、白質小血管内皮細胞のアポトーシスは前頭葉と側頭葉間で差がなかった。まとめると、神経細胞とグリア細胞のアポトーシスはアミロイドベーター蛋白の沈着が深く関与しており、白質変性部位にはCD68-KP1陽性顆粒が退行性変化をもつ星状膠細胞内に認められ、同時に希突起膠細胞のアポトーシスを起こしている。今回の研究では白質変性におけるグリア細胞のアポトーシスが大きな課題として残った。
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