研究課題/領域番号 |
11670954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
滝川 守国 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70041423)
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研究分担者 |
竹ノ内 薫 (竹之内 薫) 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60274817)
福迫 博 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (60228880)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 磁気刺激 / 精神科領域 / c-Fos発現 / 動物 / 誘発電位 / 電気ショック / ヒト / 脳科学 / キンドリング現象 / 扁桃核 / 深部脳波 |
研究概要 |
精神科領域における磁気刺激療法は臨床応用が先行し、基礎的研究とその安全性、特に高頻度磁気刺激(rTMS)に関しては試行錯誤の段階が現状である。精神科に置ける電気ショック療法の歴史がその治療機序が解明されないまま、ただ臨床に効果的であるとの理由で実施されてきた。このような理論に裏付けのないrTMS療法とならないよう本研究では以下のように実施した。 (1)動物実験に本法を適用し脳にrTMSがいかなる影響を及ぼすかを検討した。 (2)次に臨床に置いて健常コントロール群にrTMSが及ぼす作用をこの3年間において検討し、その結果は国際誌に掲載された。 まず、rTMSの反復刺激によりラット脳におけるc-Fos発現を分子生物学的に検討した。その結果は、神経活動変化を反映するc-Fosは、脳内の広範囲の部位に出現するが電気ショックと比べて線条体に有意に多くc-Fosが出現するという興味ある結果を得た。 次にrTMSの脳機能に与える光誘発電位法(VEP)で経時的に調べた。 その結果、家兎対側後頭葉のYEPは潜時(N_2,P_2成分)は短縮しその振幅は有意に増大した。このことは、rTMSの反復刺激は脳に新しい神経回路網すなわち脳の可塑性が形成されることが判明した。また、反復rTMSはヒト脳波を指標として調べた。その結果、健常コントロール群の刺激部位の周辺の脳波周波数が1Hz以上早い周波数に刺激後の2分間位ではみられた。 このことはヒトにrTMSで治療する場合、刺激後数分間は脳機能を活性化するので、その間は異常脳波の出現に注意すべきであることが示唆された。 上記の結果は、rTMSが脳に新しい可塑性を生じることを意味し、また、rTMS後、短時間で脳を活性化することからrTMSの精神科領域への新しい治療法となることが示唆された。
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