研究概要 |
申請者は、既に低酸素状態において活性化されるエリスロポエチン遺伝子のプロモーター領域を確定し(BBRC,1992,182,137-143)、この領域に特異的に結合する核蛋白が、腎臓と肝臓に複数存在していることを見い出した(JB,1993,113,395-400)。さらに、エンハンサー領域に結合する核蛋白の中から、低酸素状態において活性化される組織特異的転写因子(HNF-4)を同定した(MCB,1995,15,2135-2144)。一方、細胞系列によっては、エリスロポエチンが常に発現していることも見い出した(Blood,1998,91,1185-1195)。さらに、エリスロポエチンの遺伝子発現は、2種類の転写因子(HIF-1とHNF-4)の相互作用によって制御されていることを解明した(JHG,1999,44,293-299)。 一方、根粒菌の酸素センサーFixLのヘム鉄周辺の構造変化を見い出した(JACS,1996,118,9434-9435)。また、ヘムを固定しているアミノ酸残基を同定した(BBRC,1998,247,427-431)。さらに、酸素センサーFixLを結晶化し(AC,1999,D55,1215-1218)、立体構造の解析に成功した(JMB,2000,301,415-431)。
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