研究分担者 |
尾路 祐介 大阪大学, 医学部, 助手 (20294100)
相馬 俊裕 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40273619)
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20273691)
坪井 昭博 大阪大学, 医学部・附病院, 医員
AKIHIRO Tsuboi Osaka University Hospital, Medical Staff
立川 豊吏 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究概要 |
AML,ALL,CML,MDSなど,ほとんど全ての白血病患者において,WT1遺伝子の発現上昇が認められる。この遺伝子発現を,real-timePCR法を用いて定量することにより,1/10^3〜1/10^5のレベルで微少残存白血病(MRD)の定量が可能である。白血病患者のMRDを定量することにより,患者個々において,治療効果の判定,再発の早期診断,および再発後の早期治療を行うことを目的としている。 正常のCD34陽性分画の1部が,WT1を低濃度で発現するため,骨髄には10^<-3>(K526細胞でのWT1の発現レベルを1.00と定義)までのbackgroundが存在する。しかし,今回,染色体の相互転座を有する症例において,キメラ遺伝子発現(-)の検体のWT1値を解析することにより,同種移植後の骨髄におけるWT1値のbackgroundが,2×10^<-4>以下に低下していることが判明した。このことは,移植後患者では,再発より早期に診断できることを意味している。また,患者個々のWT1 dataの解析より,再発を有意に抑制する要因として,臨床的なGVHDの存在,ドナー/レシピエント間のHLA不適合,移植前のWT1値の低値の3点が明らかになった。
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