研究課題/領域番号 |
11671011
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
奥田 恵子 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70305572)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 白血病 / 発がん遺伝子 / 病態モデル / CML |
研究概要 |
本研究の最終目的は、リガンドにより白血病が誘導されるマウスモデルを作製する事により、どのようにして白血病細胞が正常骨髄細胞よりも優位な増殖をしてゆき、種々の臨床病態を呈するのかを理解する事である。具体的にはABLのチロシンキナーゼ活性を外因性のリガンド(エリスロポエチン)により迅速に「入」「切」調節することにより慢性〜急性の白血病を発症するマウスのin vivoモデルの作製の試みから着手した。Packaging蛋白を安定に発現している293TおよびBOSC細胞株を入手後、それら細胞株に順次、発現ベクターに入ったEPO R/ABL cDNAを導入した。当初はpPLベクターを用いていたが、感染に充分な高力価のレトロウィルスを含む細胞培養上清は得られなかった。これはベクターの発現効率が低い為と考え、同cDNAを異なる発現ベクターであるpLNCXにつなぎ替えを行った。その結果、NIH3T3,Ba/F3といったマウス細胞株への感染能力の評価では、培養上清に安定して高力価のウィルスを産生するPackaging cell lineを選択、作製する事ができた。しかし目的細胞であるマウス骨髄細胞に対して充分に目的蛋白を発現させるに至らず、骨髄細胞へのウィルス感染による遺伝子導入法については現在も引き続き至適条件を検討中である。 一方、今年度ではABLに加えてその関連遺伝子であるArgについての検討も開始した。Argに関しては、細胞株へのTEL/Arg強制発現にてArgチロシンキナーゼの恒常的活性化、それと同時にIL-3依存性Ba/F3細胞株のIL-3非依存性増殖への形質転換、さらにそのチロシンキナーゼ活性と細胞への生理作用は低分子チロシンキナーゼ阻害薬であるところのSTI571によって阻害される事を確認した。 ABLと平行してArgによる細胞への生理作用、白血病化機構の詳細な検討を、引き続きリガンド誘導システムを利用して行いたいと考えている。
|