研究課題/領域番号 |
11671022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
鏡味 良豊 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (30270721)
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研究分担者 |
葛島 清隆 愛知県がんセンター, ウイルス部, 室長 (30311442)
森島 泰雄 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (20220056)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 細胞障害性T細胞 / 濾胞樹状細胞 / リンパ腫細胞株 / NK / T細胞性リンパ腫 / Epstein-Barrウイルス / 細胞傷害性T細胞 |
研究概要 |
1.EBウイルス(EBV)の関与した節性T/NKリンパ腫の臨床病理学的検討 節性T/NKリンパ腫検体227例の詳細な解析を行い、細胞傷害性分子陽性リンパ腫と考えられる一群の疾患概念を提唱した。さらに、その中にcytotoxic large T cell lymphomaと呼ばれるべきEBVの感染した高悪性度T/NKリンパ腫が存在することが明らかとなった。 2.鼻型NK/T細胞性リンパ腫由来細胞株HANK1の特性に関する研究 HANK1では、EBV抗原に対するウェスタンブロットの結果EBNA1の発現が認められたが、LMP1の発現は、微弱であった。さらに、HANK1より、無血清培地で増殖する亜株を選択培養したところ、維持量のIL-2存在下での増殖には高密度での培養が必要であり、細胞表面に存在するCD7,CD56分子に対する抗体の添加により死滅した。これらの現象はヒト血漿存在下では認められず、牛胎仔血清では、HANK1の培養は困難であった。以上よりヒト血漿の増殖に関わる効果につき今後検討する必要がある。 3.鼻型NK/T細胞性リンパ腫に対する細胞傷害性T細胞クローンの誘導 HANK1細胞のHLA型はHLA-Aが0207と2402であり、日本人に比較的頻度の高い型であった。同一のHLA型をもつ健常者より、lynphoblastoid cell lineを樹立し、cytotoxic T cell cloneの選択を施行中である。 4.リンパ節内EBV(EBV)再活性化機構の検討 節性T/NKリンパ腫のEBVの関与について検討したところ、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILD)の多数で、EBVの組み込みがクローン性に認められた。AILDでは、リンパ節内の免疫反応において重要な役割をはたすと考えられる濾胞樹状細胞(FDC)の増生があることから、EBV既感染AILDのリンパ節細胞とFDC由来細胞株との混合培養を行ったところ、EBV感染B細胞株が得られたが、この細胞株は、通常のリンパ芽球性細胞株と異なり、FDC由来細胞株に依存性の増殖を示した。以上より、リンパ節内EBV再活性化状態において、FDCの役割の重要性が指摘された。
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