研究課題/領域番号 |
11671033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 清一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70190410)
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研究分担者 |
西川 和裕 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30301625)
水野 正司 名古屋大学, 医学部, 助手 (20303638)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 腎障害 / アナフィラトキシン / アナフィラトキシンレセプター / C5a / C3a / 血栓形成 / カルボキシペプチダーゼ / トロンボモデュリン / ラット実験腎炎 / メサンギウム細胞 / C5aレセプター拮抗ペプチド / 補体 / 好中球 |
研究概要 |
本研究により明らかにされた成果は以下の通りである。 A.高度の糸球体障害の指標のひとつである糸球体内血栓形成には補体活性化産物であるアナフィラトキシン、特にC5aが深く関与していることが明らかになった。 B.ラット血栓形成性糸球体腎炎モデルを用いた実験結果から、アナフィラトキシンC5a受容体を特異的阻害ペプチドで抑制することにより糸球体障害が軽減されることが明らかになった。 C.抗血栓薬として期待されている可溶型トロンボモデュリンはその高い抗血栓作用の一部が、アナフィラトキシンを不活化させる作用を介していることが明らかになった。 D.そのメカニズムとしてトロンビン・トロンボモデュリン複合体によるアルギニン特異的カルボキシペプチダーゼ(CPR)の活性化、すなわちpro-CPRからCPRへの転換が促進され、CPRがアナフィラトキシンC5aを不活性化することにより好中球の浸潤を抑制する事が明らかになった。 E.腎臓においてアナフィラトキシンレセプターの発現が見られ、ループス腎炎などでその発現が亢進することが明らかになった。 以上の研究成果により、これまで補体による腎障害がおもに補体活性化最終産物であるmembrane attack complex(MAC)によるとする仮説に一石を投じ、補体活性化の中間産物として生成されるアナフィラトキシンも糸球体障害に重要な役割を果たすことが明らかになった。さらにヒト、マウスに続き我々はラットでアナフィラトキシンを不活性化する酵素であるCPRをクローニングし、従来から用いているC5aレセプター拮抗ペプチドとともに、CPRを用いて糸球体障害を制御する試みが可能になった。今後、抗補体療法の臨床への応用を考えるうえで本研究の成果は重要な情報をもたらすものと期待される。
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