研究課題/領域番号 |
11671035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹中 優 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20222101)
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研究分担者 |
大久保 公策 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (40233069)
今井 圓裕 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00223305)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 進行性腎障害 / 蛋白尿 / 遺伝子 / データベース / laser microdissection / Nephron / 大規模遺伝子解析 / マイクロアレイ / 発現遺伝子データベース |
研究概要 |
過剰蛋白負荷モデルマウスは蛋白尿による早期の腎障害を検討するに適していることが報告されており、前年度の検討により我々も同様の所見を組織学的に確認している。本モデルにおいて腎近位尿細管をマイクロダイセクション法により約20cm以上収集しmRNAを抽出した。大阪大学細胞生体工学センター・大久保博士が開発した変法岡山/バーグ法によりcDNAを合成後、直接プラスミドベクターにクローニングしランダムにピックアップした約3000クローンのDNA配列を同定、発現遺伝子情報データベース構築を行った。正常近位尿細管における同様の発現遺伝子情報データベースと比較、コンピューター上でサブトラクションを行い、蛋白分解に関わる遺伝子群の発現増加、炎症に関係する遺伝子群の発現変化や正常近位尿細管に多く発現している遺伝子群の一部に発現量低下が生じることを直接的にかつ大規模に同定した。発現増加を認める複数の遺伝子群についてノーザン解析、laser microdissection-real time PCR(LMM)法、免疫組織染色及びin situハイブリダイゼーション法により解析した。Tリンパ球のマーカーであるThymic shared antigen1(TSA-1)、神経細胞においてNF-kBの活性増加に関わるglia maturation factor(GMF)らの遺伝子発現増加が全ての方法で確認され、本遺伝子発現データベース情報が信頼し得ることが示された。本データベースおよびマイクロアレイ法による解析から尿細管において腎障害と関係する事が報告されているオステオポンチン(OPN)の発現増加が確認された。本遺伝子に関し患者同意の元、LMM法により腎生検組織から近位尿細管を回収し同遺伝子発現量の定量を行った。IgA腎炎患者近位尿細管においては蛋白尿量増加と共にOPNの発現量が指数関数的に増加する事を明らかにした。病理所見が現れるまでに、ヒト腎ネフロンにおいて遺伝子発現がダイナミックに変化する事が示された。現在、予後と近位尿細管における遺伝子発現量の関係を検討中である。
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