研究課題/領域番号 |
11671040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
北本 康則 熊本大学, 医学部, 講師 (80195297)
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研究分担者 |
冨田 公夫 熊本大学, 医学部, 教授 (40114772)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Thy1腎炎 / VEGF / 糸球体傷害 / 修復 / 糸球体血管内皮細胞 |
研究概要 |
VEGFによる糸球体修復促進のメカニズム メサンギウム増殖性腎炎のモデルとしてThy1腎炎を用いた。昨年度、VEGFがThy1腎炎の糸球体修復を促進することを明らかにした。今年度はこれに引続いて、その修復のメカニズムを糸球体構成細胞の増殖による修復という観点から解析した。ラット成獣に抗Thy1抗体を投与し腎炎を作製した。リコンビナントVEGFまたはBSAを4日間投与し修復過程を追跡した。糸球体傷害が始まる24時間後、最も強くなる4日後、修復途中の18日後に腎を採取して組織学的な変化を調べた。メサンギウム細胞のマーカーとしてThy1、内皮細胞のマーカーとしてvWFとPECUM、上皮細胞(ポドサイト)のマーカーとしてp250の発現を免疫染色法を用いて追跡した。細胞増殖のマーカーとしてPCNAの発現を調べた。24時間後にはメサンギオリシスが見られたが、VEGF投与群ではBSA投与群に比べて内皮細胞の破綻が少なかった。4日後ではVEGF投与群でBSA投与群に比べて増殖メサンギウム細胞が多く、修復が始まっていた18日後にはVEGF投与群では糸球体の修復は殆ど終了したが、BSA投与群ではメサンギウム細胞の増殖が見られ修復中と考えられた。以上から、VEGFは糸球体内皮細胞を傷害から保護し、これをその後のメサンギウム細胞増殖の足場とし、修復を促進すると考えられたまた直接作用として、内皮細胞の増殖・修復を促進することにより、糸球体傷害を修復すると考えられた。今後腎疾患へのVEGFの臨床応用を念頭においた研究の進展が期待される。
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