研究課題/領域番号 |
11671052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
森田 博之 昭和大学, 医学部, 講師 (00311994)
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研究分担者 |
木全 弘治 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 教授 (10022641)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | チャージバリア / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / パールカン / ジーンターゲッティング法 / ホモ変異マウス / 糸球体基底膜 / 陰性荷電説 / タンパク尿 / 糸球体ろ過 / チャ-ジバリア / パーリカン / 遺伝子ターゲティング |
研究概要 |
糸球体濾過において、糸球体基底膜はチャージバリア(陰性荷電物質の濾過を妨げること)として機能する。チャージバリアの本体はヘパラン硫酸プロテオグリカン(以下HSPGと略す)であると提唱された。この「陰性荷電説」は概念としては広く支持されているが、蛋白尿とチャージバリアの破綻の間における、決定的な分子レベルでの証拠が未だに得られていなかった。「パールカン」は、糸球体基底膜を構成する代表的なHSPGである。パールカンの蛋白部分は5つのドメインからなり、第一ドメインに右在する第3エクソンは、ヘパラン硫酸鎖を付着させる部分をencodeしている。我々は陰性荷電説を新たな角度から検討し直す目的で、ES細胞をもちいリーディングフレーム変化を伴わずに第3エクソンのみを除去した変異パールカン分子を持つホモ変異マウスの作製に成功した。本マウス線維芽細胞由来のパールカン分子は第3エクソンの遺伝子産物以外のコア蛋白はintactであり、ヘパラン硫酸鎖を持たないことをpost-translationalレベルで生物化学的に証明した。自然な状態ではホモ変異マウスに顕著なタンパク尿は出現しなかったが、腹腔内にウシアルブミンを連日負荷すれば、負荷後2週に時点にて、ホモ変異マウスは対照群に比し有意なタンパク尿増加を示した。糸球体基底膜の陰性荷電状況をPEI染色法により電子顕微鏡的に解析した結果、予想に反し、ホモ変異マウスと対照マウスとの間に変わりはなかった。このことは遺伝子ターゲティング法により生じた欠損機能を代償する分子が、糸球体に過剰発現している可能性を強く示唆した。糸球体での発現が証明されているHSPGのひとつである「アグリン」の糸球体における発現は対照マウスと変わらなかった。アグリン以外のHSPGが欠損した機能を代償しているのであろう。
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