研究課題/領域番号 |
11671058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
新田 孝作 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50241071)
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研究分担者 |
内田 啓子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60246478)
川嶋 朗 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20224769)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | CD28 / CTLA-4 / Costimulatory molecules / Glomerulonephritis / Mice / T-cells / 抗糸球体基底膜抗体 / 免疫複合体型糸球体腎炎 / 半月体 / 補助シグナル / B細胞 |
研究概要 |
平成11年度〜平成12年度にかけて免疫複合体型糸球体腎炎の発症・進展における補助シグナルの役割について検討してきた。野生型(Wild-type)マウスとCD28分子欠損(CD28KO)マウスに抗糸球体基底膜抗体を用いた加速型馬杉腎炎を惹起した。Wild-typeマウスでは糸球体における半月体を伴う増殖性病変をきたし、血清クレアチン値の上昇と蛋白尿の増加が認められた。しかし、CD28KOマウスにおいては、このような糸球体腎炎の所見はみられなかった。CD28KOマウスにおいては糸球体へのマウスIgGの沈着が認められず、autologous phaseにおける糸球体障害性の自己抗体の産生が阻害されていることが推定された。血清中のマウスIgGの濃度が低く、flow cytometryで確認した脾細胞におけるMHC classII抗原の発現が抑制されていた。よって、抗糸球体基底膜抗体を用いた免疫複合体型糸球体腎炎の発症には、CD28分子を介する補助シグナルが重要な役割を果たしていると考えられた。次いで、Wild-typeマウスとCD28KOマウスにGVHRを惹起した。Wild-typeマウスでは糸球体基底膜に免疫グロブリンの沈着をきたし、血清中dsDNA値経時的に上昇した。しかし、CD28KOマウスにおいては、このような変化はみられなかった。よって、GVHRのモデルにおける糸球体病変の形成においてもを、CD28分子を介する補助シグナルが重要な役割を果たしていると考えられた。そこで、免疫複合体型糸球体腎炎の発症を阻止する方法を確立することにした。6週齢の自然発症IgA腎症モデルであるddYマウスにhuman IgG(コントロール群)とhuman CTLA4Ig(実験群)を100μgの割合で週2回、腹腔投与した。15週目と40週目の血清Cr値と24時間尿蛋白量、血清IgA値および腎糸球体組織所見を観察した。その結果、コントロール群では、15週目と40週目の比較で尿蛋白量の有意な増加を認めたが、実験群では有意な増加がみられなかった。いずれの群においても、血清Cr値の増加は認められなかった。一方、コントロール群に比し実験群では、40週目における血清IgA値が有意に低下していた。それに伴って、実験群ではメサンギウム増殖は軽度で、糸球体へのIgA沈着も低下していた。これらの結果より、ddYマウスの糸球体病変の発症には、CD28分子を介する補助シグナルが重要な役割を果たしていると考えられた。
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