研究課題/領域番号 |
11671091
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
江口 勝美 長崎大学, 医学部, 教授 (30128160)
|
研究分担者 |
世羅 至子 長崎大学, 医学部・附属病院, 医員
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | アポトーシス / バセドウ病 / FasL / Fas / 甲状腺濾胞細胞 / CD4^+T細胞 / IL-1β / immunoprivileged site / CD4+T細胞 / Fasリガンド / Tリンパ球 |
研究概要 |
Fasligand(FasL)は甲状腺濾胞細胞に発現し、正常甲状腺組織の"immunoprevileged site"形成に重要な役割を果たしている。IL-1βはバセドウ病甲状腺組織に強く発現しているが、今回、IL-1βのバセドウ病発症への関与を甲状腺濾胞細胞とT細胞間のFas/FasL相互作用の点から検討した。 組織学的には正常甲状腺組織と比較すると、バセドウ病甲状腺組織濾胞細胞のFasL発現は減少し、一方、Fas発現は顕著に増大していた。培養甲状腺濾胞細胞のFasL発現はIL-1β添加により抑制されるとともにFas発現は増強された。In vitroで活性化されたT細胞はFasLを強く発現しIL-1βで刺激された培養甲状腺濾胞細胞にFas依存性アポトーシスを誘導した。 次にバセドウ病甲状腺組織に浸潤しているCD4^+T細胞を用いて検討した。バセドウ病甲状腺組織にはCD4^+T細胞の浸潤が認められる。浸潤しているCD4^+T細胞を単離し、FasL発現をウエスタンブロット法にて評価すると、同病末梢血CD4^+T細胞と比較しFasL発現の著明な増強が認められた。バセドウ病末梢血CD4^+T細胞のIL-1β刺激甲状腺濾胞細胞への細胞傷害性はきわめて軽微であったが、同病甲状腺組織浸潤CD4^+T細胞はIL-1β刺激甲状腺濾胞細胞にFas依存性アポトーシスを誘導した。バセドウ病甲状腺組織浸潤CD4^+T細胞はFas発現も増大していたがFas依存性アポトーシスには抵抗性を示し、この現象はこれら細胞に強く発現しているBcl-xLの抗アポトーシス作用によるものと思われた。 以前よりIL-1βは接着分子(副刺激分子)発現を増強させ、末梢血から組織への活性化T細胞浸潤を誘導することが報告されている。それに加えIL-1βは、活性化CD4^+T細胞の甲状腺濾胞細胞に対するFas依存性アポトーシス感受性を増大させ、これらの作用によりバセドウ病甲状腺組織の"immunoprevileged site"形成の破綻に関与することが示唆された。
|