研究課題/領域番号 |
11671117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 弘之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80231413)
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研究分担者 |
井上 勝 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (20253023)
清野 佳紀 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80028620)
守分 正 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (40243505)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病 / FGF23 / 骨髄移植 / PHEX / ビタミンD / phex / 家族性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病 / Phex / Hypマウス / 家族性低リン血症性ビタミン抵抗性くる病 / リン利尿因子 |
研究概要 |
家族性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病(XLH)は腎からの著しいリンの喪失の結果生じるビタミンD抵抗性の遺伝性くる病である。その原因はPHEXと呼ばれるendopeptidaseの機能喪失であることが連鎖解析から明らかになっており、その病態発生機構は通常では体液中に放出され即座にPHEXによって分解されるリン利尿因子がPHEXの機能障害のため、分解されず腎に作用しリン利尿を惹起すると考えられているが、このリン利尿因子の本態は不明であった。そこで、このリン利尿因子を明らかにするため、ヒトと同じ遺伝子の変異を持つモデルマウスであるHypマウスを用い研究を行ってきた。 我々の本研究でとったアプローチは(1)野生型の骨髄を本マウスに移植することと、(2)PHEXの阻害剤の探索であった。 (1)については野生型骨髄を移植したHypマウスは低リン血症、ビタミンD代謝異常、マクロな骨代謝異常の全てで疾患の改善を示した。僅か5%の正常骨髄が存在するだけで、低リン血症は改善し、それは正常骨髄の生着と生の相関を示した。このことから、PHEXの天然基質はPHEX発現細胞とごく近傍または同一細胞に存在することが示された。(2)についてはNEP阻害剤であるthiorphan投与が低リン血症を惹起することを示した。 ところが2000年にFGF23が腫瘍性低リン血症、常染色体優性遺伝性低リン血症性くる病の原因遺伝子として同定され、FGF23がPHEXの天然基質であるか否かの検討を行う必要が生じた。このため、polyclonal抗体を作成し、蛋白レベルでの発現およびRT-PCRによる遺伝子発現の検討を行ったが、シグナルを成獣で検出することは困難で、骨髄にはRT-PCRにても検出されず、上述の成果と併せると、天然基質としては別の因子を未知のリン調節系として探索する必要があるとの結論に至った。さらに、この未知のリン調節系を探索するためにphex発現系を作成した。この標品は今後phexの天然基質同定に用いられる。
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